日本語ワープロ検定

日本語ワープロ検定とは

日本語ワープロ検定は、日本情報処理検定協会が主催し、文部科学省が後援する民間資格試験です。その目的は、日本語ワープロソフトを活用した文書作成やデータ処理の能力を高めることにあります。この検定は、年齢や学歴などの制限がなく、誰でも挑戦することができます。

試験は、受験者の日本語入力スキルを問う「速度」と、実用的なビジネス文書を作成する能力を測る「文書作成」の、大きく分けて二つの分野で構成されています。階級は初心者向けの4級から最難関の初段まで、準2級や準1級を含む全7段階が設けられており、段階的にスキルアップを目指せる構成となっています。

試験形式

すべての階級を通じて、試験時間、用紙サイズ、1行あたりの文字数といった基本設定は共通です。

速度試験：試験時間10分
文書作成試験：試験時間20分
用紙サイズ：A4縦
文字設定：1行40字

各級の詳細

級が上がるにつれて、要求されるレベルや試験内容は高度になります。

速度試験：

この試験では、制限時間内にどれだけ正確に文章を入力できるかが評価されます。級に応じて合格に必要な文字数が増加し、誤字脱字など1ミスの減点数も厳しくなります。また、文章中の漢字含有率も級によって異なります。

4級：合格文字数200字以上。1ミスあたり1字減。漢字含有率23～26%。
3級：合格文字数300字以上。1ミスあたり1字減。漢字含有率23～26%。
準2級：合格文字数400字以上。1ミスあたり3字減。漢字含有率25～30%。
2級：合格文字数500字以上。1ミスあたり3字減。漢字含有率25～30%。
準1級：合格文字数600字以上。1ミスあたり5字減。漢字含有率25～35%。
1級：合格文字数700字以上。1ミスあたり5字減。漢字含有率25～35%。
初段：合格文字数800字以上。1ミスあたり5字減。漢字含有率35～40%。

文書作成試験：

手書きの原稿をもとに、指定された内容のビジネス文書を作成する試験です。合格基準は全級共通で80点以上、1ミスにつき2点減点されます。級が上がるにつれて、文書に含まれる要素が複雑になります。

4級：基本的なビジネス文書の作成。
3級：表を含むビジネス文書の作成。
準2級・2級：表を含むビジネス文書の作成。高度なレイアウト処理が求められるようになります。
準1級・1級：表に加え、地図などを含むビジネス文書の作成。
初段：文書作成Iと文書作成IIの二部構成。
文書作成I：表や地図を含むビジネス文書を作成。原稿の構成要素が正しい順番に並んでいないため、適切な順序に並べ替える能力が問われます。
文書作成II：グラフ、ソート、図形描画、段組み、網掛け、計算機能など、より高度なワープロソフトの応用機能を用いた文書作成。

文書作成のレイアウト指示に関しては、4級と3級では文章番号や件名などが指定の位置に記載されていますが、準2級以上の級では、全ての要素が左揃えで印刷されており、受験者が適切な位置に配置する必要があります。ただし、初段の文書作成Iでは前述のように構成要素の並べ替え作業も含まれます。

減点基準

速度試験と文書作成試験の減点基準は、基本的に全級共通です。

速度試験：誤字脱字の他に、文字の大きさやフォントが指示と異なったり混在している場合、1つごとに1ミスとして扱われます。
文書作成試験：内容の誤りやレイアウトの不備など、1ミスにつき2点減点されます。

日本語ワープロ検定は、自身のワープロスキルを客観的に証明するための有効な手段であり、多くの教育機関や企業でコンピュータスキルの指標として認識されています。

もう一度検索