日本農業経営大学校

日本農業経営大学校：次世代の農業リーダーを育成する

日本農業経営大学校（Japan Institute of Agricultural Management）は、農業経営者の育成を目的に設立された教育機関です。2013年4月に開校し、東京都内に本部を置いています。

大学校の位置づけと特徴

道府県の農業大学校と名称は似ていますが、組織的な関係はありません。また、2012年に廃校となった農業者大学校から教育内容の一部を引き継いでいますが、こちらも組織上の繋がりはありません。

本大学校は、学校教育法第1条に定める「学校」ではなく、松下政経塾のような私塾という位置づけです。そのため、学位は取得できませんが、農業版MBAと称されるほどの高度な教育を提供しています。

教育理念と目指す人材像

持続可能な経営を確立できる「農業経営者」であり、世界的な視野と地域での実践力を備えた「リーダー」の育成を目指しています。既存の価値観にとらわれない革新的な能力や、農業と他産業の垣根を越えたコーディネート能力を養うことを重視しています。

教育の特色

受験資格は、高等学校卒業以上の学力を有する19歳から40歳までの青年です。定員20名に対し、2年間の教育を提供します。「経営力」「農業力」「社会力」「人間力」をバランス良く育むため、各界のトップクラスの講師による講義、教員によるゼミ、先進的な農業経営体や企業での現地実習、卒業後の経営計画策定などに取り組みます。学生は全寮制で生活し、多様な価値観を学びながら自主性・自律性を養います。

1年次に4ヶ月、2年次に3ヶ月の現地実習があるため、夏休みや冬休みはありません。

運営母体：一般社団法人アグリフューチャージャパン

本校の運営母体は、一般社団法人アグリフューチャージャパン（AFJ）です。次世代の農業を担う人材育成を通じて、魅力ある農業を創造し、地域社会・経済の持続的な発展に貢献することを目指しています。

沿革

2012年2月：一般社団法人アグリフューチャージャパン設立
2012年4月：設立発表記者会見
2012年8月：セミナー事業開始
2012年9月：第一回入試
2013年4月：開校式・入学式（1期生21名）
2021年11月：2023年4月入学の学生募集一時停止を決定（新たな教育課程への移行準備のため）

農業者大学校との関係

廃校となった農業者大学校の同窓会が設立に関与しており、その教育の良い点を受け継いでいます。

基礎データ

所在地：東京都港区港南二丁目10番13号 農林中央金庫品川研修センター5階
校章：熱意、農業経営、グローバルへの飛躍を7色のバーで表現

教育内容の詳細

経営力領域：経営者に必要な知識や技法を習得（主な講師：上原征彦、野中郁次郎、久保利英明）
農業力領域：地域農業を牽引する実践力を養う（主な講師：生源寺眞一、宇根豊、高木賢）
社会力領域：農業経営環境や制度を学び、適応・創造する力を育む（主な講師：中嶋康博、石田正昭、小田切徳美）
人間力領域：倫理観、哲学、使命感を深める（主な講師：古山和宏、三浦展、門間敏幸）

現地実習とゼミ

1年次に農業経営体、2年次に企業で実習を行います。学生主体のゼミでは、情報収集・分析能力、企画力、行動力などを養います。

Aゼミ：マーケティング、経営戦略
Bゼミ：営業戦略、チャネル戦略
Cゼミ：食の安全、食文化、六次産業化
Dゼミ：地域づくり、都市農村交流

学生寮

所在地：神奈川県川崎市中原区
全寮制で、国産農産物を中心とした食事が提供されます。寮生活は自治会でルールが決められます。
設備：個室、食堂、風呂、談話室
女性向け：専用フロア、セキュリティ対策、女性専用談話室

募集・受験について

受験資格：高校卒業以上、入学年の4月1日時点で19歳以上40歳以下、農業従事・研修経験が必要

経済的支援

青年就農給付金：農林水産省の認定により、給付対象となる可能性
* 教育ローン：日本政策金融公庫、JAバンクの教育ローンが利用可能

日本農業経営大学校は、次世代の農業を担うリーダーを育成するための、実践的かつ総合的な教育を提供しています。

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