日本道路交通情報センター

日本道路交通情報センター（JARTIC）

公益財団法人日本道路交通情報センター、通称JARTICは、日本国内における道路交通情報を体系的に収集し、一般に提供するための機関です。その設立は、1968年8月18日に発生した土砂崩れによる飛騨川バス転落事故をきっかけに、交通情報を迅速に提供する必要性が強く認識されたことに始まります。この事故では104名が死亡し、国全体が交通安全について真剣に考える契機となりました。

1970年1月に警察庁や当時の建設省の認可のもとに設立され、3月1日からは全国および主要地方道路の渋滞情報や、橋の重量制限、道路の幅員などを対象とした電話情報提供サービスを24時間体制で始めました。これにより、ドライバーたちは安全で快適な運転ができるようになりました。現在では、警察や国土交通省、高速道路会社、各都道府県の土木部門から委託を受け、広範囲にわたる道路交通情報を集約し、提供しています。

2013年4月1日、JARTICは公益財団法人として新たな一歩を踏み出し、全国142か所に職員を配置、各地の交通管制システムからリアルタイムで情報を収集しています。この情報は、全国の運転者に提供され、日常の交通安全を支える重要な役割を果たしています。

センター内の運営

交通情報センターでは、広いモニタ上に管轄の交通情報がリアルタイムで色分けされ表示されます。それをもとに、キャスターが情報を選別し放送に乗せるスタイルを取っています。それぞれの交通情報は適切な時間に届けられなければならないため、特に大都市圏での放送は流動的で、取捨選択のスキルが求められます。

例えば、首都高センターのモニタは縦3.7m、横17mという大きさで、放送時間が固定されていないため、運用には高度な技術と迅速な判断が必要です。

情報提供手段

JARTICは幅広い手段で情報を提供しています。主な提供チャネルには以下が含まれます：

• - 電話
• - ラジオ放送・テレビ放送
• - 新聞・雑誌
• - オンライン
• - インターネット
• - 携帯電話
• - VICSセンター

また、過去の情報や提供情報の二次利用には契約が必要です。特にラジオでは、センター職員が本部のブースから情報を伝えることが多く、時には各局のパーソナリティが読み上げることもあります。複数地点の情報を同時に提供する際には、関連するアナウンサーやキャスターが協力し合い、スムーズに情報が展開されます。

テレビ提供

NHKでは、特に首都圏や大都市で交通情報が生放送されており、道路状況をタイムリーに伝えるため、専門スタッフが情報を集めています。また、JARTICからの情報提供は年々増加の一途をたどり、情報提供の質も向上しています。

近年の変化

これまで、全国的な情報が整備されていなかった地域でも、2020年のリニューアルによって一般道路の情報提供が始まりました。これらの取り組みのおかげで、全国どこにいても、交通情報が手に入る環境が整いつつあります。

さらに、歴代の理事長には、野田健、石川重明、伊藤哲朗、矢代隆義、奥村萬壽雄、池田克彦などの方々が就任し、それぞれがJARTICの発展に寄与してきました。

まとめ

JARTICは、交通情報の収集と提供を通じて、日本国内の交通安全に寄与しています。今後もその役割は重要であり、様々な情報提供手段を駆使して、より多くの人々の安全な移動を支えることでしょう。

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