日本陸軍鉄道連隊K2形蒸気機関車

日本陸軍鉄道連隊K2形蒸気機関車

日本陸軍鉄道連隊K2形蒸気機関車は、陸軍鉄道連隊に属し、かつて運用されていた600mm軌間用の蒸気機関車です。この機関車は、日本陸軍鉄道連隊のE形蒸気機関車を増備するために製造されました。

製造経緯

K2形は、日本陸軍鉄道連隊のE形蒸気機関車を基にしており、軸配列は0-10-0(E)形です。1942年から1944年の間に、川崎車輛で合計47両が製造されました。その内訳としては、1942年に101番から115番、1943年に116番から135番、1944年に136番から146番が製造されました。また、特異な試作車として200番が1943年に製造され、左右反転構造が採用されています。

構造

K2形は、E形等の先行車と共通で、600mm軌間の飽和式単式2気筒サイドタンク機です。他の形式に比べて大きな特徴の一つは、動軸遊動機構にクリン-リントナー式を採用している点です。この機構は特許が切れた後に使用が許可され、主動輪のフランジレス設計により曲線通過の容易さを実現しています。また、外観的には運転台前部の窓が通常の四角形になっており、サイドタンクや運転台には電気溶接が多用され、滑らかな外見を持っています。

運用状況

K2形の初期の10両は、満州駐留の鉄道連隊に配備され、ソ満国境で敷設された野戦軽便鉄道で使用されましたが、第二次世界大戦後は現地に放棄されました。内地に残ったほとんどの機関車も、戦後には各私鉄へ払い下げられ、多くは解体されました。特に、炭鉱や鉱山での戦略物資の輸送に活用されました。大日本炭鉱では、無改造のK2形が専用線で主力機として使用され、神岡鉱山では高性能を発揮しましたが、燃料事情の変化によりすぐに廃車となった事例もあります。

一部のK2形は、改軌工事を経て1,067mm軌間に変更され、続いて西武鉄道や小湊鉄道などでも使用されました。しかし、動輪径の問題で速度が出ないなどの課題も見られました。

現存するK2形

戦後、適切に保存されたK2形の中で、K2 134は安比奈線で入れ替え運用をされ、一時期保管されたのち、ユネスコ村で保存されました。その後、千葉県習志野市に移され、津田沼一丁目公園で現在も保存されています。これは、日本国内で確認できる唯一のK2形蒸気機関車として貴重な存在です。もう一方のK2 121は長年にわたり国鉄土崎工場に留められていましたが、最終的に解体されました。

結論

日本陸軍鉄道連隊K2形蒸気機関車は、その設計の革新性と運用の多様性において、日本の鉄道史における重要な一部分を築いてきました。この機関車の歴史は、技術革新とともに動いていた時代を反映しています。

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