日本SF作家クラブ

一般社団法人日本SF作家クラブについて

一般社団法人日本SF作家クラブ、通称SFWJ（Science Fiction and Fantasy Writers of Japan）は、1963年に設立された日本のSFおよびファンタジー作品に関わる作家や翻訳者、評論家、編集者などが集う親睦団体です。2017年に一般社団法人へと改組され、組織の運営形式を強化しました。

由来と設立の背景

日本SF作家クラブの設立は、新宿の台湾料理店で行われた会合に由来します。この時、石川喬司や小松左京、星新一を含む11人のSF作家が集まりました。その名称は、江戸川乱歩が作った「日本探偵作家クラブ」から着想を得たと考えられています。設立初期から、福島正実が『SFマガジン』の編集長として中心となり、純文学に対抗し、SF界のリーダーシップを確立することを目指していました。

収容メンバーの多様性

日本SF作家クラブは設立当初から、女性作家や漫画家など、さまざまなジャンルの作家を受け入れてきました。手塚治虫をはじめ、大友克洋や京極夏彦といった著名なクリエイターもメンバーに名を連ねていましたが、2023年2月時点では彼らの名前はメンバー名簿には見当たりません。

この団体は1999年にアメリカSFファンタジー作家協会（SFWA）に倣い、英語表記に「ファンタジー」という語を含めました。これにより、ファンタジーや推理小説を手掛ける作家たちも入会するようになりました。

主な活動と賞

日本SF作家クラブは、日本SF大賞を1980年から主催し、過去には日本SF新人賞や日本SF評論賞も運営していましたが、これらは現在休止中です。最近では、2021年から「小さな小説コンテスト」や「小さなマンガコンテスト」（通称「さなコン」）も始まり、若手作家の支援にも力を入れています。

活動の進化と展望

さまざまなイベントや見学旅行が行われ、新幹線がない時代には関西方面の会員の生活を考慮した活動もありました。国際的な交流の一環として、1970年にはアメリカとイギリスの作家を招いた国際SFシンポジウムを開催。2013年には創立50周年を迎え、記念プロジェクトが展開されました。

最近では、会員の多様性が進み、落語家やデザイナー、ゲーム作家など、従来の枠を超えたメンバーが増えています。このように、クラブは今後も多角的な活動を通じて、SFの普及を目指していくことでしょう。

入会資格の変遷

設立当初は新規入会が全会一致でなければ認められなかったが、近年では会員の推薦を通じて入会が行われています。また、賞を受賞した作家は推薦不要の特権を持っており、その後の加入もスムーズになっています。

エピソードと文化

クラブ内でのユニークなエピソードも数多く存在します。星新一によるユーモア交じりの規則や、旧友達との交流が盛んに行われ、多様な視点からの意見交換がなされています。過去には多くの著名作家が入会を拒否されたり、退会したりするなど、時には波乱の歴史をたどることもありましたが、これらも全てクラブの成長の一部と言えるでしょう。

結論

日本SF作家クラブは、創立以来、数多くの作家によって支えられ、SFだけでなく幅広いジャンルにわたる文筆家が集うコミュニティとして成長し続けています。これからも、メンバー同士の交流を深めつつ、日本のSF界を牽引していく存在であり続けることが期待されます。

もう一度検索