日比谷神社

日比谷神社：歴史と信仰が織りなす港区の神社

東京都港区東新橋に位置する日比谷神社は、豊受大神（稲荷神）と祓戸四柱大神（瀬織津比売大神、速開都比売大神、気吹戸主大神、速佐須良比売大神）を祀る由緒ある神社です。古くは日比谷稲荷明神と呼ばれ、現在の日比谷公園内の大塚山に鎮座していました。

江戸城拡張と鉄道敷設、そして現在の地へ

創建年代は不明ですが、慶長年間、江戸城の拡張工事に伴い、現在の東新橋へと移転を余儀なくされました。氏子とともに新たな地で信仰を守り続ける中、明治時代には東海道線の敷設工事に伴い、再び新橋四丁目へと遷座しました。しかし、境内地が計画道路の予定地となったため、2009年には現在の東新橋二丁目、国道15号沿いの地に遷座しました。幾度もの移転を経て、日比谷神社は現代にその歴史と信仰を繋いでいます。

「鯖稲荷」と霊験あらたかな信仰

日比谷神社は「鯖稲荷」という別名でも広く知られています。大塚山に鎮座していた頃、苦しむ旅人たちを社務所に迎え入れ、無病息災を祈願したところ霊験があったことから、「旅泊（さば）稲荷明神」と呼ばれるようになったと伝えられています。

新橋への移転後も、「鯖」の字を用いた「鯖稲荷」として信仰を集め、特に虫歯に悩む人々が鯖を断ち、神社に祈願すると霊験があるとされ、願いが叶うと鯖を奉納する習わしがありました。この信仰は、日比谷神社の霊験の高さ、人々からの厚い信頼を示すものです。

新橋のもう一つの神社との繋がり

新橋には、日比谷神社以外にも烏森神社があり、両神社の大祭は氏子地域が重複しないように交互に隔年で開催されています。地域住民にとって、日比谷神社と烏森神社は、それぞれ異なる役割を担いつつ、地域社会の信仰を支える存在と言えるでしょう。

氏子地域とアクセス

日比谷神社の氏子地域は、港区新橋二丁目、三丁目、四丁目、五丁目、および東新橋一丁目、二丁目の一部です。交通アクセスは、JR新橋駅烏森口から徒歩4分と、大変便利な立地にあります。

分祠と現在

中央区八丁堀三丁目（旧京橋区日比谷町）には、日比谷神社の分祠である日比谷稲荷神社があります。現在、日比谷稲荷神社は日枝神社の兼務社となっています。

日比谷神社は、その歴史、信仰、そして地域との繋がりを通して、人々の生活に深く根付いた神社であると言えるでしょう。これからも多くの人々に安らぎと希望を与え続ける存在であり続けることでしょう。

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