烏森神社

烏森神社：歴史と文化が息づく新橋の聖地

東京都港区新橋二丁目に鎮座する烏森神社は、平安時代中期の天慶3年（940年）、平将門の乱平定に貢献した藤原秀郷（俵藤太）公によって創建されたと伝えられています。

創建の伝説

社伝によれば、藤原秀郷公が武蔵国のある稲荷神社で戦勝祈願をした際、白狐が現れ、白羽の矢を授けたとされています。この矢によって乱を鎮めた秀郷公は、感謝の意を込めて稲荷神社の創建を計画しました。すると、夢の中で白狐が現れ、神鳥が群がる場所が霊地であるとのお告げを受けます。現在地である桜田村の森に辿り着くと、お告げの通り多くの烏が群がっていたことから、ここに神社を創建したとされています。烏の群れから「烏森」の名が付けられたとされています。

江戸時代の賑わい

江戸時代には、稲荷信仰の高まりとともに、烏森神社の初午の稲荷祭は、江戸でも有数の賑わいを見せたと言われています。1971年の境内案内板には、当時の盛況ぶりについて言及があり、地域の信仰の中心として重要な役割を果たしていたことがうかがえます。

壮麗な神輿と文化財

烏森神社の最大の特徴の一つに、1930年に名人・山本正太郎（通称だし鉄）によって作られた巨大な大神輿があります。境内案内チラシには「だし鉄の最高傑作」とも評されており、その見事な造形は多くの人々を魅了しています。また、境内に位置する木遣塚や、参拝客に人気の「心願色みくじ」なども、神社の魅力を高めています。

貴重な文化財として、足利成氏文書（1984年10月15日港区指定文化財）が保存されています。享徳4年（1455年）に鎌倉公方足利成氏によって書かれた神願書で、神社の歴史と深い関わりを示す重要な史料です。

現在

現在でも、烏森神社は新橋の地域住民から厚い信仰を集めており、近隣の企業関係者なども参拝に訪れます。新橋駅烏森口から徒歩2分というアクセスも、その人気の理由の一つでしょう。近隣の日比谷神社と大祭を交互に隔年で行うなど、地域社会との繋がりを大切にしながら、歴史と伝統を継承しています。

アクセス

新橋駅烏森口より徒歩2分

参考文献

境内案内板
境内案内チラシ
その他関連資料

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