日比野恒次

日比野 恒次の生涯と業績

日比野恒次（ひびの つねじ）は、1903年7月11日に岐阜県で生まれ、1989年2月21日に亡くなった日本の広告業界における偉大なリーダーである。電通の相談役として知られ、彼はその生涯を通じて広告の進化に貢献した。

学歴と早期のキャリア

岐阜中学校を卒業後、日比野は第四高等学校に進学し、その後東京帝国大学法学部の政治学科に入学した。1928年に大学を卒業すると同時に電通に入社し、広告業界に足を踏み入れることになった。入社後、彼は上海電通広告公司にて主任理事としての職務を果たし、国際的な視野を広げる機会となった。

電通でのキャリアの歩み

1947年には電通の取締役に就任し、その後1950年に常務取締役、1957年には専務取締役として登用され、1960年には代表取締役副社長の職に就くこととなる。1963年2月8日、当時の社長であった吉田秀雄が亡くなった後、日比野は新たな社長としてその任に就いた。彼の時代に、電通テック本社ビルの建設が行われ、業界のさらなる発展を見据えた施策が続々と導入された。

東京オリンピックと新局設立

1964年、東京オリンピックが開催される際、日比野は「マーケティング局」と「PR局」が新設されることを決定し、国家的イベントにおける広告の重要性を高める道筋を作った。これにより、彼のリーダーシップのもとで電通は様々な国家イベントに参加し、広告業界の先駆者としての地位を確立していった。

吉田秀雄記念事業財団の設立

1965年には、故吉田秀雄に対する追悼の意を込めて、吉田秀雄記念事業財団が設立され、日比野は初代理事長に就任する。これは文部省の認可を受けた上での新たな試みであり、広告と教育の架け橋としての役割を果たした。このように、彼は広告業界における人材育成や文化の発展にも寄与していった。

業界での影響力

1973年には代表取締役相談役に退くが、その後も日本広告業協会の会長として業界の発展に尽力し、1975年には電通の代表取締役を退任した後も顧問として影響力を持ち続けた。1981年には再び電通相談役としての職務に就く一方、戸塚カントリー倶楽部の理事長やIAAの副会長など多くの役職を歴任し、国際的な活動にも従事した。

受賞歴と晩年

日比野の業績は広く評価され、1966年には藍綬褒章、1973年には勲二等旭日重光章、1977年にはマン・オブ・ザ・イヤーの栄誉を受け、1991年にはマスコミ功労者顕彰に選ばれた。彼の幅広い活動は日本の広告業界において大きな影響をもたらし、多くの後輩に道を示すこととなった。

1989年2月21日、日比野は心不全により三軒茶屋病院にて85歳で逝去した。彼の足跡は今もなお日本の広告業界に深く刻まれている。

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