日活ロマンポルノ作品一覧

日活ロマンポルノは、1971年11月20日のシリーズ開始から1988年に至る約17年間にわたり、日活によって製作・公開された一連の成人向け映画を指します。この一覧は、その全作品を網羅的に記録したものです。当初「日活ロマンポルノ」としてスタートしましたが、1978年以降は「にっかつロマンポルノ」へと名称が変更されました。

本リストでは、各作品について、その正式なタイトルと公開年月日が示されており、この公開日の順に並べられています。同一日に複数の作品が公開された場合は、作品名の五十音順に整理されています。さらに、映画の主要な担い手として、監督名と主演女優名が併記されており、当時の制作体制やスター女優の系譜をたどる上で貴重な情報源となっています。

ただし、この一覧には、日活が配給権を取得し、ロマンポルノとして公開したものの、他社が制作した作品は含まれていません。

ロマンポルノというジャンルは、単なる性描写に留まらず、様々な社会状況や人間ドラマを描き出し、多くの個性的な監督や俳優を輩出しました。その多様な作品群は、現代においても再評価の動きが見られます。例えば、以下のような著名な映画関係者や批評家たちが、日活ロマンポルノの特定の作品に言及し、その芸術性や歴史的意義を語っています。

行定勲監督: 『悶絶!!どんでん返し』を「壮絶なラストシーンはロマンポルノ史の中でも最も秀逸な場面。最もエキセントリックな作品」と評し、その独創性を高く評価しています。
宇多丸氏（RHYMESTER）: 森田芳光監督作『ピンクカット 太く愛して深く愛して』を挙げ、「監督の森田芳光にしか作り得ないロマンポルノの快作」とその作家性を強調しています。
城定秀夫監督: 自身のピンク映画の世界に入るきっかけとなった作品として『キャバレー日記』を挙げており、「キャバレーを舞台にした複数の男女による“人間讃歌”。このみっともなさ、泥臭さこそ僕の知っている青春。自分がピンク映画の世界に身を投じる契機になった大傑作」と深い思い入れを語っています。
瀬々敬久監督: 『天使のはらわた 赤い教室』について、「脚本を担当した石井隆の紡ぐ物語の数々は、シンプルにして力強く僕たちの心を打ち続けてくれた」と、脚本家・石井隆の功績を称えています。

1988年に本シリーズは一旦終了しましたが、その後も「ロマンポルノ」の名を冠した後続企画が展開されています。2010年には「RETURNS版」として過去作が公開され、2016年から2017年にかけては、新たな監督たちによる「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」として5作品が製作されました。さらに、2022年には「ROMAN PORNO NOW」として再び新作が制作されるなど、日活ロマンポルノは時代の流れと共に形を変えつつ、その歴史と影響力を現代に伝えています。

この作品一覧は、日活ロマンポルノというユニークな映画ジャンルの軌跡をたどる上で、基本的な情報を提供する invaluable な資料と言えるでしょう。

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