日清パワーステーション

日清パワーステーション (NISSIN POWER STATION)

日清パワーステーションは、かつて東京・新宿区にあったライブハウスで、1988年のオープンから1998年の閉鎖まで多くの観客を魅了していました。通称「パワステ」として知られ、当時のバブル景気と第二次バンドブームに支えられて、その名を広めることとなりました。特に「Rockin' Restaurant」というフレーズが示すように、食事を楽しみながら音楽を体験できる場として、多くのファンに親しまれていました。

ライブハウス内には複数のカメラが設置され、リアルタイムでステージの映像がモニターに映し出される独自のシステムが導入されていました。この設備により、観客はより臨場感ある体験を楽しむことができました。また、FM東京による「Nissin Power Station」というラジオ番組も放送されており、抽選で選ばれた観客が有名アーティストのライブを無料で観覧できるチャンスも提供されていました。

しかし、日清食品の経営状況が厳しくなり、1998年6月30日に日清パワーステーションは閉鎖されました。閉鎖後はその空間がイベントホールとして再利用され、内部は当時のまま保持されています。現在では、セミナーやスポーツイベントのパブリックビューイングに利用されており、企業の社内イベントなどでも活躍しています。

席種とサービス

日清パワーステーションでは、来場者に合わせたさまざまな席が用意されていました。地下にあるため、B2が1階席、B1が2階席、SDSが中2階席に相当します。特にSDS（スペシャル・ディナーシート）は、食事を楽しむための特別な席で、入場料に加えて3000円のパワステ弁当または5000円の日替わりコースメニューの注文が必須でした。

提供されるメニューには出演アーティストのサイン（コピー）がプリントされており、ここだけの特別な体験ができました。この席はフリードリンクが提供されましたが、ライブ開始30分前にはオーダーストップとなる条件がありました。

B1席ではお酒を楽しみながらライブを観ることができ、B2席は未成年者も入れるオールスタンディングの席となっており、飲酒や喫煙は禁止されていました。ライブによっては、可動席が用意されることもあり、観客は自由なスタイルで楽しめました。

最後のイベントと復活

パワステの最後の営業は、1998年6月28日から30日にわたり行われた「THE MUSIC NEVER STOPPED NISSIN POWER STATION LAST DAYS」と題されたイベントでした。このイベントには数多くのアーティストが出演し、多くのファンが感情を寄せて参加しました。一時的な閉鎖の後、2011年にはカップヌードル発売40周年を祝うイベントが横浜で開催され、パワステは一日のみに復活しました。このスペシャルライブでは、HOUND DOGや大澤誉志幸などが出演し、懐かしい楽曲が披露されました。

日清食品 POWER STATION [REBOOT]

2020年には、「音楽特化」や「配信特化」といった新しいコンセプトで、日清食品 POWER STATION [REBOOT]がオープンしました。配信型ライブハウスとして新しい波を起こし、観客がコメントを打ち込めたり、ウルトラチアーを投げたりできるインタラクティブな体験を提供しています。この改装された地下ホールでは、最新技術を活用したステージ演出が行われており、収録されたライブ映像は、配信プラットフォームを通じて視聴可能です。

日清パワーステーションは、その多様性と革新性から長年にわたり多くの人々に愛され続けている音楽の聖地であり、いまもなお新たな形で進化を遂げています。

もう一度検索