バンドブーム

バンドブームとは

日本におけるバンドブームは、主に中高生や若者を中心に楽器演奏が流行した社会現象を指します。このブームは、音楽を聴くだけでなく、自ら楽器を演奏することに関心を持つ人々が増えたことが特徴です。1990年代には、マーケット用語として「J-ROCK」という言葉が使われ始め、様々なロックバンドが登場しました。

1960年代のエレキ・ブームとグループ・サウンズ

バンドブームの起源は1960年代中期に遡ります。エレキ・ブームと呼ばれる時期があり、特にザ・ベンチャーズの影響でエレクトリック・ギターを使用した器楽曲が流行しました。この時期、日本の楽器産業の発展も見られ、高価な輸入楽器に代わり、安価な国産楽器が登場しました。楽器を演奏する人々が増え、コンテストやライブハウスでの活動が活発化しました。特にフジテレビの番組『勝ち抜きエレキ合戦』によって、アマチュアバンドの活動が広く知られるようになりました。

1980年代のフォークロックとバンドブーム前夜

1980年代中盤には、浜田省吾や長渕剛といったフォークロック系のアーティストが人気を集めましたが、これらはバンド形態ではなく、ソロアーティストとしての活動が主流でした。この時期、ロックバンドが次々と登場し、サザンオールスターズやRCサクセションといったグループがヒットチャートの上位に名を連ねました。また、ヤマハ主催の音楽コンテストが新たなバンド登竜門の役割を果たしました。

第二次バンドブームの到来

1980年代後半から1990年代前半にかけて、第二次バンドブームが訪れます。TBSの『いかすバンド天国』や関連雑誌の影響により、多くのアマチュアバンドがメディアに登場しました。これらのプログラムは厳しい審査が行われ、多くの個性的なバンドが世に出るきっかけとなりました。1990年にはたまやBEGINの楽曲がヒットし、メディアの力とともに多くのバンドが注目されました。

1980年代後半からのバンドの多様化

この時期にはアイドルの人気が衰退する一方で、HOUND DOGやレベッカなど、多彩なロックバンドが現れ、ヒットチャートを賑わせました。また、BOØWYやBUCK-TICKのような新たなサウンドが生まれ、ジャンルの幅が広がりました。さらに、TM NETWORK|TM_NETWORKのデジタルロックや、女性メタルバンドのプリンセス プリンセスなども登場し、聴衆を魅了しました。

J-ROCKの誕生と発展

1980年代後半に「J-POP」が生まれ、そこから派生した「J-ROCK」も誕生しました。この時期、爆風スランプやLINDBERG、JUDY AND MARYなど、多くのバンドがヒットし、CDショップの「J-ROCK」コーナーに並ぶことが一般的になりました。バンドブームとともに、日本独自の音楽文化が育まれたのです。

バンドブームのその後

1990年代に入ると、ZARDや小室ファミリーブームが起こり、CDの売上が急増したものの、バンドブームは徐々に衰退していきました。新たなジャンルやスタイルが登場する中で、バンドは一時の活気を失うこととなりましたが、現在でも多くのアーティストがインスピレーションを受け、音楽シーンは進化を続けています。このように、バンドブームは日本の音楽文化において重要な役割を果たした時代であると言えます。

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