日産・オッティ

オッティ（OTTI）について

オッティは、日産自動車が2005年から2013年にかけて販売した軽セミトールワゴンです。このモデルは、三菱自動車工業が製造する初代および2代目のeKワゴンのOEM製品として登場しました。製造は全て岡山県倉敷市の三菱水島製作所で行われ、日産の軽乗用車市場における重要な位置を占めていました。

初代モデル H91W（2005年-2006年）

初代オッティは2005年1月17日に発表され、その後6月7日から市場に投入されました。このモデルは、日産にとって軽自動車の2車種目であり、三菱からのOEMではクリッパーに続くものでした。デザイン面では、フロントグリルをはじめ、ボディカラーやABS（アンチロックブレーキシステム）の標準装備などが特徴です。

グレードは「S」「E」「RS」「RX」の4つに分かれており、四輪駆動車も用意されています。「S」と「E」はeKワゴンを基にし、「RS」と「RX」はeKスポーツがベースです。各グレード間での外装デザインにも細かい違いがあり、装備内容も異なります。特別仕様車として、2006年には「Noir Selection」が登場し、インテリアはブラックを基調とした落ち着いたデザインが採用されました。

主力のエンジンは自然吸気の3G83型が搭載され、RXにはインタークーラーターボが装備されました。トランスミッションは、最下位のSグレードは3速ATまたは5速MT、他のグレードには4速ATが標準装備です。2006年9月には生産が終了し、在庫分の販売が続けられた後、10月に新型が発売されました。

2代目モデル H92W（2006年-2013年）

オッティの2代目は、2006年の秋に登場しました。このモデルも初代からのキャリーオーバーとして継承されており、プラットフォームやエンジンはほぼ同一のものが使用されています。ボディサイズも先代から大きな変化はなく、安定したデザインが特徴です。また、オーテックジャパンによるカスタマイズ版「ライダー」も設定されました。

グレードは基本的に初代と同様ですが、新たにスライドドアを装備した「M」や、ターボエンジンを搭載する「RZ」が追加されました。これにより、利便性と性能が向上しました。さらに、2008年にはフロントグリルやバンパーが刷新され、エンジン制御システムの改良により燃費の向上が図られました。

時が経つにつれ、販売戦略が変化し、グレード体系や装備も見直されていきました。2013年には新型軽自動車「デイズ」の登場に合わせ、オッティは販売を終了しました。この結果、日産は新しい世代の軽自動車市場に移行することとなりました。

車名の由来

オッティという名称は、イタリア語の「ottimo」から派生したもので、「最高」という意味を持ちます。この名称には、コンパクトカーとしてのベストバランスのパッケージングが表現されています。オッティはその特性から、多くのユーザーに支持され、多彩な選択肢を提供した成功モデルであったと言えます。

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