日産・クエスト

日産クエストの歴史と概要

日産自動車が展開したミニバン、クエスト（QUEST）は、1992年から2017年までの長い期間にわたり、特に北米市場で人気を博したモデルです。日本国内では初代モデルのV40型が一部年式で販売されただけで、以降のモデルは北米向けに専用設計されました。特に2011年に発売された4代目からは、エルグランドの姉妹車として位置づけられています。

初代 V40型 (1992年 - 1998年)

クエストの初代は1993年に北米国際オートショーで初めて披露されました。このモデルは日産・プレーリーの北米向けモデルであるアクセスの後継車として開発され、フォード・モーター社との共同開発によるものです。このジョイントベンチャーは1987年に設立され、日産は人材を提供し、フォードが開発資金を負担する形でスタートしました。エンジンにはV6OHC VG30E型が採用され、しっかりとした性能を誇りました。

日本市場においては、クエストは1995年から輸入販売が開始され、左ハンドルのみの仕様でした。高級感はあったものの、少数輸入であり販売台数は少なかったです。特に、スライドドアが右側にしか装備されていなかったため、使い勝手の面でも限界がありました。

2代目 V41型 (1998年 - 2002年)

1998年には2代目V41型が発売され、プラットフォームは初代を流用しつつ、両側スライドドアを装備する形での進化が見られました。エンジンもV型6気筒 OHC VG33E型に変更され、より力強い走行性能を実現しました。このモデルは2001年にフェイスリフトを施し、外観が一新されたものの2002年には生産が終了しました。

3代目 V42型 (2003年 - 2009年)

2003年に発表された3代目は、日産独自の車両となりました。FF-Lプラットフォームを採用し、デザインも洗練されましたが、特に内装のデザインは顧客から高評価を受けることはありませんでした。おおよそ2006年には再設計が行われ、コンパクトで質感高い interiores に変更されました。モデルは北米市場にて販売されましたが、2009年には生産を終了しています。

4代目 RE52型 (2010年 - 2017年)

2010年モデルからは、エルグランドと共通するDプラットフォームが採用されました。このモデルは、北米市場向けに設計されており、エルグランドと多くの部品を共有していますが、クエストは大衆車として位置づけられています。特に、ボディサイズは大きく、リアオーバーハングが伸びています。

2010年11月にはロサンゼルスオートショーでの正式発表を経て、製造は北米日産九州工場に移りましたが、2016年には北米市場での販売を終了しました。それ以降、クエストは中国市場でも取り扱われることがありましたが、最終的に2019年にその販売も終了することとなりました。

まとめ

日産クエストは、フォードとの共同開発による初代から、独自の進化を遂げながら日産のミニバンラインアップに貢献してきました。特に北米市場でその名を知られ、その後もエルグランドとの関係を通じて重きを置かれつつも、日本国内では限られた販売にとどまりました。各世代の違いや市場の反応は、日産自動車のミニバン策を感じさせるものでした。

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