日産・ステージア

ステージア（STAGEA）

日産自動車がかつて製造していたステーションワゴン型乗用車、ステージア（STAGEA）は、1996年から2007年までの間に二代にわたり販売されました。初代モデルは1996年に登場し、ワゴンブームの中で高性能と高級感を兼ね備えた存在として人気を集めました。特に、プレステージ・ツーリングワゴンというコンセプトが示す通り、機能性の高さと快適な乗り心地を提供することを重視した設計が特徴です。

初代 WC34型（1996年 - 2001年）

初代のステージアは、1990年代のワゴン人気に乗り、堂々とした外観と充実した装備により、多くのファミリー層に支持されました。C34型ローレルやR33型スカイラインとプラットフォームを共有していることもあって、走行性能は非常に高く、特にエンジンラインナップには直列6気筒のRB25DET型インタークーラー付ターボやRB20E型等が用意されていました。このため、ワゴンでありながらスポーティな走りを求めるドライバーにも支持を受けていました。

また、当時の日本車としては珍しく、商用車仕様やディーゼルエンジンモデルをラインナップに持たない点も特徴的で、主に高級車からの乗り換えを考える中高年層をターゲットにしていました。特に木目パネルを採用したXシリーズは、セドリックやグロリアの顧客層を意識した設計でした。

軽快なスタイリングと優れた機能性を誇るこのモデルは、日本国内での販売のみならず、中古車市場においても高い人気を誇り、特にオーストラリアではスカイラインワゴンの代替車としても受け入れられました。さらに、チューニングを施したモデルが多く存在し、高出力エンジンをスワップするなどのカスタマイズ例も見られました。

年表

• - 1996年10月: WC34型が登場。Lクラスステーションワゴン専用車種。
• - 1997年1月: 新ボディカラーの追加とエアロパーツの標準装備。
• - 1998年8月: マイナーチェンジを行い、後期型へ移行。
• - 2000年6月: 新しいグレード「20RS」が追加。
• - 2001年3月: 生産終了、在庫対応販売へ。

2代目 M35型（2001年-2007年）

初代の成功を受けて、2001年にモデルチェンジされた2代目M35型は、栃木工場での生産が開始されました。このモデルでは、V35型スカイラインと同様のFMプラットフォームを採用し、樹脂製のバックドアや専用開発のマルチリンクリヤサスペンションを新たに採用しました。このように大幅に改良されたことで、より洗練されたドライビング体験を提供しました。

搭載されるエンジンは、V35型と共通のVQ25DD型やVQ30DD型があったほか、ステージア専用のVQ25DET型も選べるようになりました。特にこのモデルではクロスオーバーSUV的な要素も取り入れた「AR-X FOUR」もラインアップされ、顧客の選択肢が広がりました。

2007年には生産が終了し、その後モデルチェンジを受けることなく市場から姿を消しました。ステージアという名称は、「舞台」を意味する「STAGE」と「Advance」の「A」を組み合わせた造語であり、日産の豊かな自動車文化を反映する存在だったと言えるでしょう。

脚注

日産の伝説的な車両として、ステージアは多くのドライバーに愛されたモデルであり、その魅力と性能は現在でも多くのファンの記憶に残っています。

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