日産・ノート E12

E12型ノートについて

E12型ノート（NOTE E12）は、日産自動車が製造したハッチバック型のコンパクトカーであり、2012年から2020年までの間に販売されました。このモデルは、初代E11型ノートの後継として位置付けられ、日本国内では2012年9月3日に登場しました。E12型ノートは、製造が終了したティーダの後継としての役割も果たしています。発売とほぼ同時に、香港市場でも同様のモデルが展開され、さらに欧州市場や北米市場でも販売が開始されました。欧州市場では2013年に、北米市場では2013年に「ヴァーサノート」として展開されたのです。

このモデルの製造工場は、E12型へのモデルチェンジとともに日産自動車九州工場へ移されたことが特徴的です。E12型ノートは、K13型マーチやN17型ラティオと同じVプラットフォームを採用しています。初代モデルの製造にあたった追浜工場とは異なり、九州工場では主に国内の地場サプライヤーからの部品調達が行われ、部品調達の約85%が九州地域で賄われるという地域への貢献が図られました。やはり特筆すべきは、E12型モデルに「e-POWER」という革新的なハイブリッドシステムが搭載されるようになった点です。

メカニズム

パワートレイン

日本仕様および欧州仕様のE12型ノートは、ガソリンエンジンが搭載されており、排気量は先代の4気筒から3気筒へと変更されました。1.2Lの直列3気筒HR12DE型エンジンと、同じく1.2Lのダウンサイジング過給器付のHR12DDR型エンジンの2種類が用意されています。特にHR12DDR型は、直噴技術によって燃費性能が向上し、スーパーチャージャーを装備しているためパワーも強化されています。

全車に搭載されているCVTは、効率的な走行を実現するために設計されており、ECOモードやスポーツモードが用意されている点も魅力的です。さらにアイドリングストップ機構が全車に標準装備され、燃費基準を上回る性能が発揮されました。

また、E12型ノートには2016年に新たに提供された「e-POWER」システムが搭載され、発電専用のエンジンとモーターが融合し、電気自動車の新たな形を実現しました。このシステムは、リチウムイオンバッテリーを用いたハイブリッド方式であり、性能向上に寄与しています。

ボディ・シャシ

E12型ノートは、軽量化のためにプラットフォームを変更し、約70kgの軽量化に成功しました。サスペンションはストラット式とトーションビーム式が採用され、剛性も向上しました。タイヤはブリヂストン製の省燃費タイヤが標準装備され、走行性能に貢献しています。特に日本市場向けには、室内での広さが重視されており、後部座席の居住空間も確保されています。

デザイン

E12型ノートのデザインには独自の特徴があり、スカッシュラインによって動感を演出しています。エクステリアにはブーメラン型のリアコンビネーションランプや、空気抵抗を考慮したデザイン要素があります。さらに、メッシュタイプのフロントグリルやVモーショングリルの搭載も見られ、スタイリッシュな外観が施されています。

ラインアップ

日本市場では、E12型ノートは複数のグレードが用意されています。「S」「X」「MEDALIST」「NISMO S」などのモデルがあり、それぞれに個別の装備や仕様が配置されています。特に「MEDALIST」は、ティーダの後継を意識したデザインと装備で、多様な顧客ニーズに応えるものとなっています。また、NISMOグレードはスポーティな魅力を持っており、高性能を求めるドライバー向けに特化されています。

まとめ

E12型ノートは、コンパクトなボディに先進技術を惜しみなく搭載した車両であり、日産自動車の革新性を体現しています。その販売期間の間、新たなグレードや技術の導入が行われ、ますます注目される存在となりました。

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