日産・プリンス店

日産・プリンス店の歴史と概要

日産・プリンス店は、かつて存在していた日産自動車の販売チャネルの一つであり、1966年に日産と合併したプリンス自動車工業がその起源です。その後、スカイラインやフェアレディZをはじめとしたスポーツ色の強い多様な車種を取り扱いました。以下に、その歴史と特徴について詳しく述べます。

1. 設立と初期の展開

プリンス自動車工業が持つ販売店は、合併当初「日産プリンス」「スカイライン販売会社」として展開され、グロリアやスカイラインが中心でした。この時期のプリンス店は、スポーツカーのフェアレディZや180SXなども扱い、特に若年層をターゲットにした注目を集めていました。

2. 組織の変遷

合併から数年後、旧プリンスの販売部門であった「プリンス自動車販売」は、日産自動車との統合後に「日産プリンス自動車販売」と名を変更し、旧来の名残を残しながら独自の販売戦略を進めました。しかし、1986年に日産自動車販売部門への統合が進み、販売のスタイルが大きく変わることになります。

3. 車種の共通化と統合

1980年代後半には、プリンス店と日産チェリー店の取扱車種が共通化されるようになり、多くのチェリー店は同地域のプリンス店と統合しました。これにより全国的にブランドの認知が進み、統一感が出る一方で、地域によってはチェリー店が現在も残存しているケースも見られます。

4. 販売系列の統合

1999年4月、日産自動車の販売系列が集約され、「レッドステージ」と呼ばれる新たな販売の形態が誕生しました。この中で、従来の「日産プリンス○○販売」の名称を維持しながらも、日産の他の販売形態と一体化していく流れが見られました。また、2005年からは「ブルーステージ」「レッドステージ」が設立され、各店舗での合併が進む中で、日産販売会社間の相互関係が深化しました。

5. キャッチフレーズとブランドイメージ

プリンス店は、その独自性を際立たせるため、数々のオリジナルCMを展開しました。1990年から1992年の「プリンスの冬」では、女優の高橋リナが登場し、人気車種とともに「星が綺麗なら、明日、日産プリンスに行きませんか」というメッセージを伝えました。また、1997年から1999年にかけては「いい走り。いい生き方。日産プリンス」というキャッチフレーズが印象的で、特に走行性能重視のスポーツカーを取り扱う特徴をアピールしました。

6. 取扱車種の多様性

1999年時点では、プリンス店で取り扱っていた車種は多岐にわたります。セダンではシーマやグロリア、スポーツカーではフェアレディZやシルビア、さらにはSUVやワゴン、商用車に至るまで、広範囲にわたるモデルが展開されていました。特にフェアレディZは、旧来よりの人気モデルとして多くのファンに支持され続けました。

7. 終焉とその影響

日産・プリンス店は、2007年以降のビジュアル・アイデンティティの刷新とともに新しい展開を始めましたが、販売形態が変化し続けたことにより、特定の地域や車種において随時その姿を変えながら、現在の販売チャネルに移行していきました。これにより、日産のブランド史の中で重要な役割を果たしたことは間違いありません。今でも多くの自動車ファンの中で、プリンス店の名は語り継がれています。

もう一度検索