日産・ルキノ

ルキノ (LUCINO) の概要

ルキノは、日産自動車が1994年から2000年にかけて生産したクーペ及びハッチバック型の乗用車で、特に20代の若者を意識したデザインが特徴的です。クーペモデルは「ルキノクーペ」、ハッチバックモデルは「ルキノハッチ」と名付けられ、それぞれの型で異なる魅力を持っています。

車両構成と設計

ルキノクーペは、B14型サニーベースを背景にした2ドアモデルです。この車両は、2,535mmのホイールベースを持ち、後部座席は大人2名がゆったりと座ることができるスペースがあります。トランク容量も広く、ゴルフバッグやスポーツバッグを併せて持ち運び可能で、実用性に優れた設計とされています。また、一般的なグレードではリアシートを分割して折りたたむことができ、長尺物の収納も可能です。

エンジンにはGA15DE型とSR18DE型が搭載され、特にGA15DE型のモデルは、5速マニュアルトランスミッションが選べるため運転が楽しく、燃費性能も高いです。燃料消費率は19.6km/Lを記録しており、1990年代の1,500ccクラスにおいてトップクラスのスタッツを誇っていました。

ルキノハッチは、N15型パルサーセリエをベースにしたモデルで、デザインや装備にはベース車との違いがありますが、基本的な性能は類似しています。販売台数は少ないため、上級グレードモデルは特に希少とされています。

北米市場での展開

北米市場では、ルキノクーペは「200SX」という名で販売されており、そのラインナップは日本でのモデルとは異なる選択肢がありました。具体的には、1,597ccのGA16DE型エンジンを搭載したベースモデルや、SR20DE型エンジンを搭載したスポーティなグレードも展開されていました。これにより、異なるニーズに応える製品が揃えられていました。日本仕様とは異なり、前面バンパーのデザインや内装材まで、詳細な違いが見受けられます。

型式とキャッチコピー

ルキノは、発売当初から数回にわたるマイナーチェンジを経ながら、さまざまなグレードを提供しました。キャッチコピー「ルキノって、いいかも。」は、若者を惹きつける訴求力のあるフレーズであり、CMには人気俳優を起用することで認知度を高めました。

特に、オーテックジャパンが手がけたごく少数限定で生産されたスポーティ仕様のモデルは、今日においても非常にレアな存在となっています。スポーツモデルの実力が評価され、サーキットでの競技にも参戦していたことから、ファンの間で密かに人気を集めています。

終焉とその後

2000年には、生産終了が告げられたルキノですが、その影響は今でも多くのオーナーによって語られています。若者向けにデザインされたスタイリッシュな車体は、当時の流行を反映したアイコンとして、今なお愛され続けています。日産の中でも特異な立ち位置のあるルキノは、2ドアクーペおよびハッチバックというジャンルでの先駆者的な役割を果たし、ファンの記憶に残る存在となっているのです。

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