日産・M9R

日産・M9Rエンジンの詳細

日産・M9Rエンジンは、日産自動車とフランスのルノーが共同で開発した、直列4気筒の2.0リットルコモンレールディーゼルエンジンです。このエンジンは2005年にルノー・ラグナの2代目モデルに搭載され debut し、その後、さまざまな日産車でも採用されてきました。特に、日産車ではルノーの呼称をそのまま使っています。

エンジンの特徴

M9Rエンジンの最も注目すべき点は、その環境性能と高い燃焼効率です。2008年9月には、エクストレイル T31型に搭載され、ポスト新長期規制に対応した世界初のモデルとなりました。このエンジンは、燃焼効率を向上させることで、NOx（窒素酸化物）の排出量を削減し、また、ディーゼル・パーティキュレート・フィルター（DPF）を搭載することにより、排出ガス中のすすを99%まで除去することができます。

エンジンは1600バールの噴射圧を持つピエゾインジェクターを採用しており、173PSの出力を実現しています。また、3.5リットルの自然吸気ガソリンエンジンに匹敵する36.7kg·mのトルクを、回転数わずか3,750rpmと2,000rpmで発揮します。この高トルク特性により、ドライビングの楽しさが一層高まります。さらに、低燃費性能も兼ね備えているため、経済的な運行が可能です。

静粛性と振動抑制

M9Rエンジンは、騒音の面でも優れた特性を持っています。ガソリンエンジンと同等の静粛性を実現しており、快適な走行を提供します。また、振動対策としてバランサーシャフトを装備しているため、運転中の快適さが保たれています。

補助金と税制優遇

このエンジンを搭載したエクストレイル・20GT クリーンディーゼルは、登場当初、日本国内でハイブリッドカー以外で唯一の100%減税（免税）措置を受けることができるモデルでした。さらに、最大21万円の「クリーンディーゼル自動車導入費補助金」を受け取れるため、購入者にとって非常に魅力的な選択肢となっていました。

採用車種

M9Rエンジンは、ルノーと日産の複数のモデルで採用されています。ルノー車では、ラティテュード、ラグナ、メガーヌ、セニック、コレオスといった中型以上の車種に搭載されています。一方、日産ではエクストレイルやキャシュカイなどが該当します。また、ルノーサムスンのQM5やQM6でも使用されています。

製造と点検

このエンジンの製造はフランスのセーヌ＝マリティーム県、ルノーのクレオン工場で行われています。エンジンオイルについては、一般的な欧州車と同じACEA規格のものを使用する必要があり、オイル交換の際には注意が必要です。

まとめ

日産・M9Rエンジンは、環境性能、燃費、出力において優れた特性を持っているため、ディーゼルエンジンとしての地位を確立しています。性能だけでなく、環境への配慮もなされている点が特筆すべきポイントです。

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