日産観光

日産観光株式会社について

日産観光株式会社（にっさんかんこう）は、茨城県水戸市に本社を構えるバス運行会社です。ここでは、会社の概要や歴史、事業内容について詳しく紹介します。

会社の概要

日産観光は、日帰りツアーや宿泊ツアーを提供しており、また貸切バスの運行も行っていました。2019年4月からは、トラビスジャパン株式会社からの依頼を受け、高速乗合バスサービスの運行を開始しました。しかし、わずか3か月後の同年7月にその運行を休止することとなりました。

2019年9月30日、日産観光は、貸切バス事業および旅行業を茨城交通に譲渡する契約を結んだと発表しました。譲渡は国土交通省の認可を受けた上で2020年1月1日を予定していましたが、2019年12月23日には茨城交通から契約解除が発表されました。この背景には、日産観光が必要な条件を満たさなかったことがあります。

さらに、日産観光労働組合は複数回にわたり、賃金支払などの要求を含むストライキを行うことを通知しており、これが厚生労働省の「公益事業に関する争議行為の予告」にも記載されています。契約解除の直後、日産観光の代表は全従業員に対し、2019年12月31日付で会社都合による解雇を通知しました。

従業員は、この告知を受けた後、12月31日までに翌年度の運行予定を近隣の他の運営会社に移管し、一般客に影響を与えない形での業務を終了しました。

2024年現在、法人は存続しているものの、本社の所在地は当社とは無関係な運送会社の場所として案内されている状態です。また、かつて登録されていた茨城県バス協会からは、その名が消えています。

沿革

• - 1952年（昭和27年）9月: 会社設立
• - 2002年（平成14年）12月6日: タクシー事業の子会社である日産観光ハイヤーなど3社の株式を第一交通産業に売却
• - 2011年（平成23年）11月: 「貸切バス事業者安全性認定制度」において一つ星認定を受ける
• - 2015年（平成27年）: 2月28日、タクシー事業を茨城交通から譲受、9月には三つ星認定を取得
• - 2019年（平成31年・令和元年）: 4月から高速バスを運行開始し、7月には運行休止、9月には事業譲渡契約を発表するも、12月には解除

営業所・関連会社

本社は水戸市に位置し、日産観光水戸旅行センターと併設されています。また、土浦営業所が茨城交通に譲渡された後、つくば市への移転により閉鎖されました。

関連会社には、損保ジャパンの代理店業務を行っている有限会社日産観光ツーリストや、タクシー事業を手掛ける茨城オート株式会社があります。過去には日産観光ハイヤーやいくつかのタクシー会社が関連していましたが、これらはすでに売却されています。

高速乗合バス

かつて運行されていた「水戸住吉-大崎駅西口」間の高速バス路線は、最初は一日4往復で運行されていましたが、その後の減便を経て、2019年7月に運行を休止しました。この路線は日産観光の本社所在地を結ぶ重要な交通手段でした。

結論

日産観光株式会社は、長い歴史を有する事業者ではありましたが、近年は事業の譲渡や運行の休止、解雇といった厳しい状況に直面しています。これにより、事業としての活動は収束していく一方で、法人自体はまだ存在しています。今後、この法人がどのように展開していくのか、注目されるところです。

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