日田盆地

日田盆地は、大分県日田市に位置する盆地であり、耶馬日田英彦山国定公園の一部として、その美しい景観から日本二十五勝にも選ばれています。盆地は、大分県と福岡県の県境に近い内陸部にあり、周囲を1,000m級の山々に囲まれています。この地形が、盆地特有の気候を生み出しています。

盆地の中心部には、筑後川の上流にあたる三隈川が流れています。この三隈川には、九重連山や阿蘇山系に源を発する玖珠川、大山川をはじめ、花月川、高瀬川、串川といった多くの支流が合流します。日田市内の河川は、上流域に位置するにもかかわらず、水量が非常に豊富で、河岸が広いのが特徴です。これらの豊富な河川が、日田盆地を「水郷」と称される所以となっています。

日田盆地の地形は、すり鉢状になっているため、空気が滞留しやすいという特徴があります。これにより、気温の日較差が大きくなり、特に秋から初冬にかけては、底霧と呼ばれる深い霧が発生し、午前遅くまで残ることが多くあります。また、気温の年較差も大きく、夏は非常に暑く、冬は厳しい寒さに見舞われます。時には、その日の国内最高気温を記録し、全国ニュースで報道されることもあります。

このように、日田盆地は、豊かな水資源と独特の気候、そして美しい自然景観が調和した場所です。盆地特有の気候が生み出す霧の風景は、幻想的であり、多くの人々を魅了しています。

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