耶馬日田英彦山国定公園

耶馬日田英彦山国定公園：九州の自然と歴史が織りなす景勝地

耶馬日田英彦山国定公園は、九州地方の北東部に位置し、大分県、福岡県、熊本県の3県にまたがる広大な国定公園です。1950年7月、佐渡弥彦国定公園（現佐渡弥彦米山国定公園）、琵琶湖国定公園と同時に、日本で最初に指定された国定公園の一つとして知られています。

耶馬渓：天下の奇勝、変化に富む渓谷美

公園の主要な景観の一つである耶馬渓は、古くからその美しい景観で知られてきました。頼山陽が「天下の奇勝」と称賛したこの渓谷は、雄大な岩峰や奇岩が織りなす独特の景観が特徴です。競秀峰をはじめ、数々の景勝地が点在し、国内有数の渓谷として多くの人々を魅了しています。耶馬渓は本耶馬渓以外にも、深耶馬渓、裏耶馬渓、奥耶馬渓など、それぞれ異なる表情を持つ渓谷が存在し、古くから「耶馬十渓」として親しまれてきました。青の洞門や耶馬渓橋など、見どころも豊富です。

日田盆地：歴史と文化が息づく水郷の町

日田盆地は、江戸時代には天領として栄え、林業が盛んに行われてきました。そのため、現在でも美しい杉の美林が広がり、豊かな自然環境を保っています。また、水郷として知られる日田は、独特の景観と歴史的な町並みが魅力です。日田盆地周辺には、玖珠盆地や大山川上流域なども含まれ、万年山など溶岩台地も見られます。さらに、中津江村区域には鯛生金山跡地といった歴史的な鉱山跡も存在します。熊本県側には、杖立温泉といった温泉地も含まれています。

英彦山：霊峰がたたずむ、手付かずの自然

英彦山は、古くから修験道の聖地として信仰を集めてきた霊峰です。現在も手つかずの自然林が残されており、豊かな自然と静寂に包まれた空間が広がっています。山頂には英彦山神宮が鎮座し、周辺には神仏習合の名残を残す古刹の跡などが点在しています。英彦山は、その神秘的な雰囲気と豊かな自然から、多くの人々を惹きつけてやみません。

火山と主な景勝地

公園内には、万年山、耶馬渓といった火山性の地形も見られます。主な景勝地として、耶馬渓、本耶馬渓、青の洞門、耶馬渓橋、深耶馬渓、裏耶馬渓、奥耶馬渓、筑紫山地、英彦山、求菩提山、日田盆地（日本二十五勝）、万年山（大分百山）などが挙げられます。

郵政省発行の切手

耶馬日田英彦山国定公園の美しい景観は、切手にも描かれています。郵政省（現在の日本郵政）は、1959年と1999年に、青の洞門と三隅川の鵜飼い、青の洞門と競秀峰を描いた切手を発行しました。これらは、公園の魅力を広く伝える役割を果たしています。

耶馬日田英彦山国定公園は、自然と歴史、そして文化が融合した、魅力あふれる空間です。雄大な自然景観と歴史的な遺産を体感できる、貴重な観光地となっています。

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