日立バイパス

日立バイパス

日立バイパスは、茨城県日立市内を南北に縦断する国道6号のバイパス道路です。慢性的な交通渋滞の緩和を目的として計画され、日立市の北部から中部にかけて、市街地を避けて太平洋沿岸に沿って建設されました。

概要

日立市は、かつて銅鉱山で栄えた街で、工場や住宅が密集しています。国道6号は、市街地の中心部を通り、交通渋滞が深刻な問題となっていました。そのため、バイパス道路の建設が計画されました。日立バイパスは、海岸線に沿って建設されており、一部区間は、一般道としては珍しい海上高架橋となっています。2011年の東日本大震災の際には、津波にも耐え、寸断された交通網を支える重要な役割を果たしました。

路線データ

起点：茨城県日立市河原子町
終点：茨城県日立市田尻町
全長：10.5km
区分：3種1級
設計速度：80km/h
計画幅員：20.5m - 32.7m
車線数：暫定2車線（完成4車線）
開通済区間：日立市田尻町～同市旭町（暫定2車線、4.7km）
事業化済区間（日立バイパスⅡ期）：日立市国分町～同市旭町（暫定2車線、3.0km）
未事業化区間：日立市河原子町～同市国分町

施設

供用済みの区間と未供用区間、及び各種施設は以下の通りです。

AC: アクセス
BR: 橋梁
RP: ロードパーク（休憩所）

アクセス道路の特記がないものは市道です。

歴史

日立市は、明治時代から日立鉱山の開発によって発展してきた街です。鉱工業の発展に伴い、平地部には工場や商業地が、丘陵地には住宅が密集するようになりました。市街地を縦貫する国道6号は、慢性的な交通渋滞が課題となっていました。

1977年、海岸線に沿った海上バイパスの建設が計画されました。1994年には一部区間が開通しましたが、漁業権の問題やアクセスルートの調整により、建設は難航しました。2000年代に入り、一部区間が暫定2車線で開通しましたが、現在も未開通区間が残っています。海中の橋脚部分が波による浸食でダメージを受けていることが、工事の遅延要因の一つとされています。

旭町 - 河原子町間については、2007年に市民参加による再検討プロジェクトが開始され、2011年に概略計画が確定しました。

年表

1977年度：事業着手
1984年8月2日：都市計画決定
1984年度：事業化（北部4.7km）
1986年度：用地取得着手
1990年度：土工区間工事着手
1994年3月：延長0.5km供用
1997年度：海岸部築堤着手
2001年3月24日：本宮アクセス - 一般国道6号延長1.6km供用（暫定2車線）
2003年5月10日：鶴首アクセス - 本宮アクセス延長1.0km供用（暫定2車線）
2008年3月29日：旭町アクセス - 鶴首アクセス延長1.6km供用（暫定2車線）
2009年7月25日：浜の宮ロードパーク供用開始
2012年1月：都市計画変更決定（日立市河原子町～同市旭町、10.5km）
2012年度：日立バイパスⅡ期 事業化（日立市国分町～同市旭町、3.0km）
2015年度：用地買収着手

交通量

平日24時間交通量（台）

2005年度：日立市東滑川町3丁目 13,327台

愛称

市民からの公募により、「日立シーサイドロード」という愛称が付けられています。

参考文献

佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社、2014年
佐藤健太郎『国道者』新潮社、2015年

関連項目

バイパス道路
日本のバイパス道路一覧
関東地方の道路一覧

外部リンク

常陸河川国道事務所
* 日立バイパスのみちづくり

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