日立市民運動公園野球場

茨城県日立市の中成沢町に位置する日立市民運動公園野球場は、地域における主要な野球施設のひとつです。

設立経緯と歴史

この球場は、1974年に茨城県で開催された第29回国民体育大会において、日立市で軟式野球競技が行われることになったのを機に建設が進められ、国体開催に先立つ1972年10月に完成しました。完成から間もない同年には、国体のリハーサルを兼ねて高松宮賜杯全日本軟式野球大会が開催され、高松宮宣仁親王殿下をお迎えするなど、開場当初から重要な役割を果たしました。

施設概要と改修

グラウンドは両翼94メートル、中堅120メートルの広さを持ち、内野・外野ともに人工芝が敷かれています。人工芝への改修は2009年に行われ、プレー環境が向上しました。スコアボードはフルカラーLED（三菱電機製）が導入されており、これも2019年に整備された比較的新しい設備です。観客席は12,000人を収容可能で、内野に5,000席の座席、外野には7,000人収容可能な芝生席が設けられています。一方で、現在のところ照明塔は設置されていません。

主な利用状況

日立市民運動公園野球場は、年間を通じて様々なレベルの野球大会に利用されています。

社会人野球: 地域における重要な大会であるJABA日立市長杯選抜野球大会では、長年にわたり主会場として使用されています。また、2010年には社会人野球日本選手権大会の大会方式変更に伴い、第1ステージ（1回戦）・関東大会の会場としても利用されました。これは、大会改革の一環として複数会場での分散開催が試みられた際のものでしたが、翌年の中止やその後の方式再変更により、当地での日本選手権開催は現在のところこの一度きりに留まっています。
学生野球: 全国高等学校野球選手権茨城大会をはじめとする高校野球の公式戦や、その他の学生野球大会にも幅広く利用されています。
* プロ野球独立リーグ: ベースボール・チャレンジ・リーグ（ルートインBCリーグ）に所属する茨城アストロプラネッツが、2020年から公式戦の一部をこの球場で開催しており、プロ野球選手たちのプレーを見る機会も提供されています。

課題と将来計画

建設から年月が経過し、施設には老朽化が進んでいること、そしてバリアフリー対応などが不十分であるという課題が認識されています。これらの課題を解消し、より現代的な野球場へと生まれ変わらせるため、現在、大規模な全面改修計画が進行中です。この改修は、将来的にはプロ野球（NPB）の公式戦開催が可能となるレベルを目指しており、2026年度の完成を目標としています。改修が実現すれば、地域の野球活動のさらなる振興や、より高レベルな大会の誘致につながることが期待されています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR常磐線の日立駅または常陸多賀駅から茨城交通バスに乗車し、「運動公園前」バス停で下車するのが便利です。日立駅からは中央口3番のりばより「平和台霊園」行きまたは「多賀駅」行き、常陸多賀駅からは駅前1番のりばより中央線経由「日立駅」行きに乗車します。自動車を利用する場合は、常磐自動車道日立中央ICから国道6号線を南下することでアクセス可能です。

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