日経虎ノ門別館

日経虎ノ門別館：テレビ東京旧本社ビルの歴史と現在

日経虎ノ門別館は、東京都港区虎ノ門の城山ガーデン内に位置するオフィスビルです。元々は「日経電波会館」という名称で、1985年11月に竣工しました。2016年11月まで、テレビ東京が本社機能を置いていた建物として知られています。

歴史的背景

1980年代、東京12チャンネルからテレビ東京への社名変更や、テレビ大阪、テレビ愛知の開局により、テレビ東京の事業規模は拡大の一途を辿りました。当時の本社・放送センター（東京タワースタジオ）の増改築では、スペースが逼迫し、対応が困難な状況に。そこで、1982年から新社屋の候補地選定が始まり、1983年1月には、当時の社長が新社屋建設に着手する方針を表明しました。

新社屋は、日本経済新聞社とテレビ東京が共同で仕様を決定し、森ビル開発（現：森トラスト）が整備する城山開発計画の一環として建設されました。設計は入江三宅設計事務所・建築設備設計研究所、施工は清水建設が担当しました。1984年4月12日に地鎮祭が行われ、1985年4月5日に上棟、同年11月13日に竣工式が行われました。同年12月には、事務部門の移転と放送設備の移行が行われ、新社屋からの放送が開始されました。

日経電波会館は、地下1階、地上10階、塔屋1階の構造で、4つのスタジオを備えていました。

第1スタジオ（650㎡）
第2スタジオ（430㎡）
第3スタジオ（250㎡）
第4スタジオ（115㎡）

テレビ東京の移転とその後

2016年11月、テレビ東京の本社オフィスは住友不動産六本木グランドタワーに移転しました。しかし、日経虎ノ門別館には2つのスタジオが残され、「神谷町スタジオ」として現在も一部番組の収録に使用されています。

本社機能移転後、ビルはリニューアル工事が行われ、日経BPがNBFプラチナタワーから移転し、ビルの1階と5階から9階に入居しました。また、テレビ東京の子会社の一部（テレビ東京ミュージック、テレビ東京ヒューマン、テレビ東京ダイレクト、テレビ東京制作）もオフィスを構えています。ただし、テレビ東京ヒューマンはその後、本社を住友不動産六本木グランドタワーに移転し、2022年にテレビ東京コマーシャルへ吸収合併、テレビ東京メディアワークスに社名変更しています。番組編集業務を行うオフィスは、現在も3階に入居しています。

現在の状況

日経虎ノ門別館は、テレビ東京本社移転後も、神谷町スタジオとして一部の番組制作を担いながら、オフィスビルとして新たな企業を迎え入れています。かつてのテレビ東京の本社としての役割を終えましたが、その歴史は今も息づいています。

神谷町スタジオ - テレビ東京

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