日較差

日較差とは

日較差（にちかくさ、にちこうさ）とは、ある場所における1日の最高気温と最低気温の差のことです。字義通りには、1日の中で記録された最も高い温度と最も低い温度の差を指しますが、気候学においては、気温の日内変動における最高気温と最低気温の差を意味します。

日較差の変動要因

日較差は、天候条件によって大きく左右されます。晴天の日には、日中の太陽光による気温上昇が大きくなり、夜間の放射冷却による気温低下も大きくなるため、日較差が大きくなる傾向があります。一方、曇天の日には、太陽光が遮られ、放射冷却も弱まるため、日較差は小さくなります。

平均的な日較差は、緯度、海陸の配置、海抜高度などによって影響を受けます。

緯度: 低緯度地域では、太陽高度が高く、日射量が多いため、日較差が大きくなる傾向があります。一方、高緯度地域では、太陽高度が低く、日射量が少ないため、日較差は小さくなる傾向があります。
海陸の配置: 海水は、陸地に比べて温まりにくく冷めにくい性質を持っています。そのため、海岸部では、日中の気温上昇が抑えられ、夜間の気温低下も緩やかになるため、日較差は小さくなります。一方、内陸部では、海水の影響を受けにくいため、日較差が大きくなる傾向があります。
海抜高度: 一般的に、高度が高くなるほど気温は低くなります。また、高度が高い場所は、大気が薄く、日射による気温上昇が大きくなりやすい一方、放射冷却も大きくなりやすいため、日較差が大きくなる傾向があります。

植物への影響

日較差は、植物の生育にも影響を与えます。例えば、サボテンは、日中の高温と夜間の低温という日較差の大きい環境に適応した植物です。砂漠などの乾燥地帯では、日中の気温が非常に高くなる一方、夜間には急激に気温が低下するため、日較差が非常に大きくなります。サボテンは、このような環境で生き残るために、水分を蓄えることができる多肉植物へと進化したと考えられています。

関連事項

年較差: 年間の最高気温と最低気温の差。
海洋性気候: 海の影響を強く受け、日較差や年較差が小さい気候。
大陸性気候: 海の影響を受けにくく、日較差や年較差が大きい気候。

まとめ

日較差は、気温変動を理解する上で重要な要素です。日較差の大きさは、場所によって異なり、気候や植生に大きな影響を与えます。日較差を理解することは、地球環境や生態系への理解を深める上で不可欠です。

もう一度検索