日進化工

日進化工株式会社は、化学薬品の製造を専門とするメーカーです。

2000年6月10日午後6時10分頃、同社の群馬工場（群馬県新田郡尾島町安養寺、現在の太田市安養寺町）において、痛ましい爆発事故が発生しました。この事故は、半導体洗浄剤などに使用されるヒドロキシルアミンの精製中に、蒸留塔が爆発したことが原因です。

この爆発により、工場で働いていた従業員4名が命を落とし、周辺住民約30名が重軽傷を負うという大惨事となりました。爆発の衝撃は非常に大きく、周辺地域に甚大な影響を与えました。

特に、地域の大動脈である国道17号（上武道路）と国道354号（当時、現在は群馬県道142号綿貫篠塚線）が通行止めとなり、交通が麻痺しました。また、近隣の尾島町役場（現在の太田市尾島庁舎）では、多くの窓ガラスが割れるなどの被害が発生しました。

爆発音は、10キロメートルから20キロメートル離れた伊勢崎市、館林市、熊谷市、深谷市、足利市といった周辺地域だけでなく、30キロメートル以上離れた前橋市、高崎市、東松山市、小山市、古河市といった広範囲にまで響き渡ったとされています。当時の尾島町役場内に設置されていた地震計は、この爆発による揺れを震度2として記録しています。

現在、この事故が発生した工場の跡地には、名鉄運輸の支店が建てられています。この事故は、化学薬品を取り扱う工場の安全管理の重要性を改めて認識させられる出来事として、深く記憶されることとなりました。

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