尾島町

尾島町の概要

尾島町は、群馬県南東部、新田郡に位置していた町で、人口は約1万4千人でした。埼玉県の県境に位置し、町の南部には利根川が流れていました。2005年3月28日に、（旧）太田市、新田町、藪塚本町と合併し、太田市となり消滅しました。

地理

町の南端を利根川が流れ、南端の前小屋地区の真ん中を流れていたため、前小屋地区の北部は群馬県側、南部は埼玉県側となっていました。2010年の群馬・埼玉県境変更に伴い、前小屋地区の利根川南岸は埼玉県深谷市の一部となりました。

歴史

尾島町は、新田氏の始祖である義重の子、義季が領有した地であり、徳川姓を名乗ったことから「徳川氏発祥の地」として知られています。また、大和芋の産地としても知られ、1970年代には町内に約280ヘクタールにも及ぶ芋畑が広がっていました。柔らかい土壌のため、冬場のからっ風で土埃が広範囲に舞い上がり、家屋に侵入することが風物詩でした。

2000年6月10日には、町の中央部にある安養寺地区にあった日進化工群馬工場で爆発事故が発生しました。この事故は、周辺地域に甚大な被害をもたらし、従業員4名が死亡する惨事となりました。爆発音は、近隣の伊勢崎市、桐生市、埼玉県熊谷市や深谷市など、30キロほど離れた前橋市や高崎市にも届いたとされています。現在、工場跡地には名鉄運輸の太田支店が建てられています。

尾島町は、2005年3月28日に旧太田市、新田町、藪塚本町と合併し、太田市となったため、3月27日に閉町しました。

沿革

1889年4月1日 - 町村制施行に伴い、新田郡に尾島町と世良田村が誕生しました。
尾島町: 尾島村、亀岡村、堀口村、阿久津村、岩松村、押切村、備前島村、二ッ小屋村、武蔵島村、前島村、前小屋村、安養寺村、大舘村が合併。
世良田村: 世良田村、小角田村、徳川村、出塚村、粕川村、上矢島村、西今井村、三ッ木村、女塚村、米岡村、平塚村、境村の一部が合併。
1957年11月1日 - 世良田村の一部（世良田、小角田、徳川、粕川、出塚）を尾島町が編入し、世良田村の残部は境町（現在の伊勢崎市）へ編入しました。
2005年3月28日 - 太田市、新田町、藪塚本町と合併し、新たに太田市となりました。
2010年3月1日 - 太田市前小屋町の利根川南岸が埼玉県深谷市へ編入されました（越境合併）。

行政

最終の町長は相澤邦衛氏で、1995年から2005年まで務めました。先代は小出由友氏でした。

交通

尾島地区の中心部では、群馬県道142号綿貫篠塚線と国道17号上武道路が交差しています。また、町内には以下の道路が通っていました。

国道17号（上武道路）
国道354号
群馬県道14号伊勢崎深谷線
群馬県道69号大間々尾島線
群馬県道275号由良深谷線
群馬県道276号新堀尾島線
群馬県道298号尾島平塚線
群馬県道311号新田尾島線

鉄道は、東武鉄道伊勢崎線の世良田駅と、かつて徳川河岸線（貨物線）の徳川河岸駅がありました（1968年廃止）。

教育

尾島町には、以下の小学校と中学校がありました。合併後、太田市立となっています。

尾島町立尾島小学校 → 太田市立尾島小学校
尾島町立世良田小学校 → 太田市立世良田小学校
* 尾島町立尾島中学校 → 太田市立尾島中学校

文化・観光

尾島町には、世良田東照宮、長楽寺、満徳寺などの史跡があります。また、毎年8月には尾島ねぷた祭り、11月には航空ページェントが開催されていました。特産品としては、大和芋が有名です。

その他の情報

姉妹都市として、青森県弘前市がありました。

尾島町は、その歴史と文化、そして豊かな自然に恵まれた町でした。現在は太田市の一部となっていますが、その名は今も人々の記憶に残っています。

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