日野元彦

日野元彦：日本のジャズドラム界を彩った名手

日野元彦（ひの もとひこ、1946年1月3日 - 1999年5月13日）は、東京都出身のジャズドラマーであり、日本のジャズシーンにおいて重要な足跡を残しました。

生い立ちと音楽への道

トランペッターでタップダンサーである日野敏を父に、トランペッターの日野皓正を兄に持つ音楽一家に生まれました。幼少の頃から音楽に囲まれた環境で育ち、父のタップダンスの弟子でありドラマーの原田寛治に師事し、ドラムの技術を習得しました。

ミュージシャンとしての活躍

菊地雅洋との菊地＝日野クインテットや、自己のトリオを中心に活動を展開。その卓越した技術と音楽性は、ジョー・ヘンダーソンやソニー・ロリンズといった海外の著名なジャズミュージシャンとの共演も果たしました。また、後進の育成にも力を注ぎ、BLANKEY JET CITYの中村達也など、数多くの才能あるドラマーを育て上げました。六本木にあるジャズクラブ「ALFIE」のオーナーである日野容子は夫人です。

日野元彦は、「スイングジャーナル」誌の人気投票で通算15回も1位を獲得するなど、日本のトップジャズドラマーとして広く認められました。そのプレイスタイルは、繊細でありながらも力強く、日本のジャズシーンに大きな影響を与えました。

突然の逝去と遺された音楽

1999年5月13日、すい臓がんにより53歳という若さでこの世を去りました。しかし、彼の音楽は今もなお生き続けています。生前に録音されたテープに、兄の日野皓正や甥の日野賢二が新たな音を加え、作品として発表。彼の音楽に対する情熱と才能は、世代を超えて受け継がれています。

音楽仲間や多くのジャズファンからは「トコさん」の愛称で親しまれ、その人柄と音楽性で多くの人々を魅了しました。

ディスコグラフィー

リーダーアルバム

『日野元彦ファースト・アルバム』（1971年）
『ビート・ドラム』（1971年）
『ビート・ドラム Vol.2』（1971年）
『TOKO』（1975年)
『流氷』（1976年）
『フラッシュ』（1977年）
『ワイルド・トーク』（1990年）
『Sailing Stone』（1992年）
『It's There』（1993年）
『Hip Bone』（1994年）
『Tac Tic』（1999年）
『Double Chant』（1999年）

参加アルバム（一部）

日野皓正『アローン・アローン・アンド・アローン』(1967)
日野皓正『フィーリン・グッド』(1968)

…他多数

関連情報

ジャズ資料館 - Jazz Database for Musicians -
日野元彦 - Discogs
* 日野元彦の作品 - MusicBrainz

日野元彦は、日本のジャズドラム界に確かな足跡を残した偉大なミュージシャンです。彼の音楽は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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