日韓漁業協定

日韓漁業協定の概要

日韓漁業協定は、主に1965年と1998年に締結された二つの合意から成り立っています。最初の1965年協定は、日本と韓国の国交樹立に合わせて締結され、互いの漁業活動を調整することを目的としました。その後、1998年に新たな協定が結ばれ、特に排他的経済水域（EEZ）の運用に関する詳細が定められました。

1998年協定のポイント

1998年に成立したこの協定は、日本と韓国のEEZ内での漁獲量や操業方法について規定されています。この協定の発効後、韓国は頻繁に日本のEEZでの漁船操業条件の緩和を求めましたが、日本側は違法操業を指摘し、韓国漁船に対する漁獲量の縮小を主張しました。結局、これらの意見が対立し、2016年には日韓双方のEEZ内での漁業が禁じられるに至りました。

漁業共同委員会

これらの問題を解決するために、日韓漁業共同委員会が設置され、漁業条件や資源保護について協議が行われました。しかし、双方の意見の食い違いから交渉が進展せず、いくつかの会合では物別れに終わることが多かったのです。

漁業の実態

｢新協定｣の発効後、日本のEEZにおけるズワイガニ漁は依然として日本側に有利でしたが、2000年代から韓国漁船の漁獲量が急激に増加し始めました。今や、韓国漁船は日本海において日本漁民の漁獲量の約10倍に達することもあります。この事態は、日本から見れば不公平で、資源管理が破壊される危機を招いています。

不正漁業の問題

日本国内では、韓国漁船による違法操業が深刻な問題となっています。日本の水産庁による取り締まりで押収された漁具の量は膨大で、隠れた漁具が漁業資源に悪影響を及ぼす「ゴーストフィッシング」も問題視されています。その結果、日本側の漁業者たちの間では、協定の見直しや改善が強く求められています。

新たな協定の模索

これらの問題を背景に、日本側は協定の更新について消極的でした。しかし、韓国政府は依然として旧来の協定を重視し、交渉が進まない状況にあります。特に漁獲量の制限や違法操業の取り締まりについて、日本と韓国の見解は大きく異なっています。

結論

日韓漁業協定は、双方にとって重要な役割を果たしていますが、実際には数多くの課題を抱えています。特に、違法操業や資源管理の問題は解決が急がれています。国交正常化後の漁業協定の歴史は、利益や資源管理の在り方において、継続的な議論と対話の必要性を示しています。

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