日高川駅

日高川駅（廃駅）

日高川駅は、和歌山県御坊市に位置していた紀州鉄道の駅で、1989年にその役割を終えた廃駅です。この駅は紀州鉄道線の終着駅であり、歴史的な経緯と現在の様子について詳しく見ていきます。

駅の歴史

日高川駅は1934年8月10日に開業されました。この駅は開業当初から活発に利用されており、特に戦前は鉄道の中枢駅としての役割を果たしていました。しかし、第二次世界大戦の影響で1945年の空襲に遭い、駅舎や機関庫は全焼してしまいます。その後も駅は復旧され、長い間営業を続けましたが、1989年4月1日に西御坊駅と日高川駅を結ぶ区間が廃止されることになり、駅も併せて廃止となりました。

駅の構造

日高川駅は、地上に位置する単式ホーム1面1線と2本の側線を持っていました。現在でも残されているホームは、わずかに崩れている部分がありますが、その姿は当時の名残を留めています。かつては王子製紙春日井工場に向けた原材料を運ぶ国鉄貨車が出入りしていましたが、末期には1日あたりの運行が2往復に減少しておりました。

廃線跡の現状

廃止から30年以上が経過した現在、日高川駅と西御坊駅の間には未だに線路が残り、周辺住民にとっての生活道路となっています。ただし、一部の区間には「紀州鉄道管理地 立入禁止」の看板が立っており、警告がなされています。また、腕木式信号機や使用が中止された踏切も今なお見ることができます。

日高川駅本体では、線路や駅の中程にあった橋もそのまま残っています。かつて存在した転轍機も残されていましたが、分岐装置は撤去されてしまいました。こうした現状は、この地域の過去の鉄道の名残を今に伝えています。

その他の情報

かつて日高川駅と西御坊駅の間には日出紡績前駅も存在しましたが、1941年に廃止されています。また、日高川駅跡を利用して、2017年には廃車となったキテツ2形を活用した鉄道公園の整備構想が持ち上がりました。運転体験などが可能なこの公園は、2024年9月時点では未だ実現には至っていません。

隣の駅

紀州鉄道線において、日高川駅の隣は西御坊駅で、これが最寄りの接続駅です。

結論

日高川駅の歴史とその後の転換点を知ることは、この地域における鉄道の重要性を理解する手助けとなります。地域の歴史を背負った駅であった日高川駅は、今もなお往時の風景を留め、訪れる人々に懐かしさを感じさせます。

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