旧三井銀行小樽支店

旧三井銀行小樽支店は、北海道小樽市にある歴史的な建造物で、かつて「北のウォール街」と称された小樽市色内の繁栄を象徴する建物の一つです。その歴史的価値から、国の重要文化財に指定されています。

概要

1927年、小樽が港都として隆盛を極めた時代に、北日本最大の金融街であった色内に三井銀行小樽支店として竣工しました。設計は、旧三菱銀行神戸支店や慶応義塾大学図書館などを手がけた曾禰中條建築事務所が担当し、施工は竹中工務店が行いました。

関東大震災の教訓を生かし、耐震技術を取り入れた鉄骨鉄筋コンクリート造で、外壁には北米産の花崗岩が使用されています。重厚で堅牢な外観は、当時の銀行建築の特徴をよく表しています。

竣工以来、三井銀行小樽支店、帝国銀行小樽支店、三井銀行小樽支店、太陽神戸三井銀行小樽支店、さくら銀行小樽支店、三井住友銀行小樽支店と、名前を変えながら銀行店舗として使用され続けました。2002年11月15日に閉店し、18日付で札幌支店に統合されました。小樽市内の都市銀行としては唯一21世紀まで営業を続けていましたが、閉店後には長崎屋小樽店内にATM出張所が設置され、現在も小樽市収納代理金融機関の一つとして三井住友銀行が名を連ねています。

その後、建物は石屋製菓に売却され、夜間のライトアップは継続されましたが、積極的な活用はなされませんでした。2016年には、ニトリが建物の所有者となり、美術館であるニトリ小樽芸術村（現・小樽芸術村）の施設の一つとして活用する計画が発表されました。「日本近代絵画美術館」として2017年の開業を目指し、岸田劉生の作品や東海道五十三次などを展示する予定でしたが、2022年10月現在、その計画の進行は確認されておらず、事実上白紙状態となっています。

2017年2月16日には小樽市文化財に指定され、2022年2月9日には本館・附属家が国の重要文化財に指定されました。

交通アクセス

函館本線 小樽駅 徒歩10分

周辺情報

旧三井銀行小樽支店の周辺には、以下の観光スポットがあります。

北のウォール街
日本銀行旧小樽支店金融資料館
旧北海道銀行本店（小樽バイン）
旧三菱銀行小樽支店（小樽運河ターミナル）
旧北海道拓殖銀行小樽支店
旧第四十七銀行小樽支店（小樽紙商事）
旧第百十三銀行小樽支店（小樽浪漫館）
旧郵政省小樽地方貯金局（小樽文学館・小樽美術館）
小樽運河
旧手宮線
小樽郵便局

これらの周辺施設と合わせて、小樽の歴史と文化に触れる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

関連項目

近代建築
歴史主義建築

外部リンク

* 旧三井銀行小樽支店 | 小樽芸術村

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