旧上田市立図書館

旧上田市立図書館は、長野県上田市に所在する歴史的建造物です。1915年（大正4年）に竣工し、1993年（平成5年）には上田市指定有形文化財（建造物）に指定されました。この建物は、時代とともに様々な役割を担ってきました。

歴史

この建物の歴史は、1913年（大正2年）に上田男子小学校（現在の清明小学校）の同窓会が市民に寄付を募ったことから始まります。そして1915年（大正4年）に、明治記念館として竣工しました。当初から図書館としての使用が想定されており、1923年（大正12年）に上田市に寄贈されると、そのまま上田市立図書館の建物として利用されることになりました。

1970年（昭和45年）に上田市立図書館が現在の場所に移転した後、この建物は上田市役所の分室として使用されました。その後、1985年（昭和60年）には彫刻家・石井鶴三の個人美術館である石井鶴三美術館として生まれ変わり、46年間にわたり多くの人々に親しまれました。この功績から、1993年（平成5年）2月3日には上田市指定有形文化財に指定されています。

2008年（平成20年）には、耐震性の問題などから石井鶴三美術館は移転し、小県上田教育会会館に石井鶴三美術資料室が設けられました。その後、2010年（平成22年）には交流施設として蚕都上田館が開館し、5年間で1万人以上の来場者を集めましたが、耐震性の問題から2015年（平成27年）5月10日に閉館しました。

建築

この建物は、ドイツ風アール・ヌーヴォーの影響を受けた意匠が特徴的で、長野県を代表する大正期の近代建築として知られています。その美しい外観は、多くの人々を魅了し、歴史的価値の高い建造物として今も大切に保存されています。

その他

現在、旧上田市立図書館は、その歴史的価値と美しい建築様式から、上田市の文化財として重要な役割を担っています。市民にとってかけがえのない文化遺産として、その存在は未来へと受け継がれていくでしょう。

外部リンク

* 旧上田市立図書館 上田市文化財マップ

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