旧伊藤伝右衛門邸

旧伊藤伝右衛門邸の紹介

旧伊藤伝右衛門邸は、福岡県飯塚市幸袋に存在する伝統的な建物であり、炭鉱経営者であった伊藤伝右衛門が大正から昭和初期にかけて自らの邸宅として建設したものです。この邸宅では、特に特徴的なのが、福岡市天神にあった赤銅御殿から移築された門です。

旧伊藤傳右エ門氏庭園

旧伊藤傳右エ門氏庭園は、邸宅の南側に広がる馬車廻しを中心に、建物群の間に位置する中庭と北側の主庭から構成され、訪問者に多様な景観を提供しています。特に主庭は回遊式庭園で、主屋からの見晴らしに配慮された美しい設計になっています。2011年には国の名勝に指定され、その美しさが正式に認められました。伝右衛門の二度目の妻、柳原白蓮が持参した石灯篭など、歴史的意義のある要素が残されています。

建物の指定と重要性

2020年に旧伊藤家住宅として7棟の建物が国の重要文化財に指定されました。指定された建物には、主屋や表物置、道具蔵、骨董蔵、事務室、書生室、長屋門が含まれ、さらにポンプ小屋や建築図面も附属品として認められています。伝右衛門が亡くなった後は、所有者が何度か変わり、一時は取り壊される危機に直面しましたが、飯塚市への譲渡が決まり、修復工事を経て一般公開されることとなりました。なお、入場券や公式サイトには、同じく筑豊の石炭王の末裔である麻生太郎の揮毫が見られます。

イベントの開催

旧伊藤伝右衛門邸では、飯塚市観光協会などによって多様なイベントや企画展が行われることが多いです。例えば、毎年3月に開催される『いいづか雛のまつり』や、将棋の女流王位戦として有名な対局場としても利用されます。特に2014年には、第25期王位戦対局がこの邸宅で行われ、多くの将棋ファンを魅了しました。さらに、2017年には、敷地内で飯塚観光協会が運営するお土産屋が「ミュージアムショップ白蓮」として新しくオープンし、観光客に向けた商品を提供しています。

アクセスの詳細

この歴史的スポットへのアクセスは、公共交通機関や自家用車で非常に便利です。JR九州筑豊本線の新飯塚駅から西鉄バスに乗車し、「幸袋・旧伊藤伝右衛門邸前」バス停で下車後、徒歩およそ2分で到着します。自家用車での訪問も可能で、九州自動車道の福岡インターチェンジから八木山バイパスを経由して約25km、または鞍手インターチェンジから約18kmの距離です。

このように、旧伊藤伝右衛門邸は歴史、文化、自然が見事に調和した場所であり、訪れる人々に多くの魅力を提供しています。

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