旧居留地十五番館

旧居留地十五番館：神戸に残る異人館の記憶

兵庫県神戸市中央区、かつての外国人居留地にひっそりと佇む「旧居留地十五番館」。ここは、1880年頃にアメリカ合衆国領事館として建てられた歴史的建造物です。神戸市立博物館のすぐ西側に位置し、異国情緒あふれる雰囲気を今に伝えています。

震災からの奇跡的な復元

旧居留地十五番館は、居留地時代（1868年～1899年）に建てられた建築物として唯一現存しており、その貴重さから国の重要文化財に指定されています。しかし、1995年の阪神・淡路大震災によって全壊という壊滅的な被害を受けました。それでも、市民の熱意と最新の免震技術、そして可能な限り元の建材を使用するという徹底した復元工事によって、1998年に見事な復活を遂げました。

復元にあたっては、創建当時の塗装色への変更や、木柵と門扉の再建も行われ、明治時代の姿が忠実に再現されています。

建築の特徴

2階建ての建物は、南正面にベランダを備え、屋根上には左右対称の三角形のペディメント（破風）が設けられています。東側にはアーチ形の入口があり、1階内部にはイオニア式円柱とアーチを組み合わせたセルリアーナが配されるなど、細部にまで意匠が凝らされています。2階ベランダは、震災前の改修で室内に取り込まれていましたが、復元時に元のベランダの姿に戻されました。

建物の西側には、隣接する「居留地十六番」との境界を示す煉瓦塀と境界石柱が残っており、「16・15」と刻まれた石柱は、建物本体とともに重要文化財の附（つけたり）として指定されています。これらの遺構は、当時の区画を今に伝える貴重な証拠となっています。

周辺情報

旧居留地十五番館の周辺には、神戸らんぷミュージアムやKOBEとんぼ玉ミュージアム、神戸ドールミュージアムなど、様々な文化施設が集まっています。また、旧居留地38番館や神戸市立博物館などの歴史的建造物も点在しており、散策を楽しむことができます。

少し足を伸ばせば、旧神戸住友ビル（現・銀泉神戸ビル）や神戸郵船ビル、南京町といった観光スポットも訪れることができます。

アクセス

JR西日本 三ノ宮駅 徒歩10分
JR西日本 元町駅 徒歩8分
阪急 神戸三宮駅 徒歩10分
阪神 神戸三宮駅 徒歩8分
阪神 元町駅 徒歩 8分
神戸市営地下鉄山手線 三宮駅 徒歩10分
神戸市営地下鉄海岸線 旧居留地・大丸前駅 徒歩5分
ポートライナー 三宮駅 徒歩10分
* 山陽新幹線 新神戸駅 車10分

まとめ

旧居留地十五番館は、震災を乗り越え、創建当時の姿を取り戻した貴重な文化遺産です。その美しい建築様式や、周辺の歴史的な街並みを散策することで、明治時代の神戸にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができるでしょう。神戸を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

日没から23時までライトアップされ、昼間とは違う幻想的な雰囲気を楽しむこともできます。

また、館内にはレストラン［TOOTHTOOTH maison15th］があり、食事をすることも可能です。

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