旧辰馬喜十郎住宅

旧辰馬喜十郎住宅

概要

旧辰馬喜十郎住宅は、兵庫県西宮市に存在する擬洋風建築であり、明治21年に建設されました。この建物は、阪神地域の文化と芸術が育まれた明治中期に築かれ、特に阪神間モダニズムの象徴として知られています。

当時、灘地区の酒造家たちは、近代的な生活様式や文化を支える洋館や酒造工場を建設し、地域の発展に大きく寄与しました。辰馬喜十郎は、辰馬財閥の分家の当主であり、彼の自宅を建てるにあたり、日本人の大工、山下某に神戸の旧居留地にあった英国領事館を模した設計を依頼しました。

この住宅は、木造2階建の母屋と木造平屋建の附属屋から成っており、母屋の外壁の一部は煉瓦積みとなっています。また、当邸宅はコロニアルスタイルの特徴を持ち、列柱が配置されたベランダや両開きの鎧戸が備わっていることから、北野町の異人館群と類似したスタイルをしています。

建築詳細

• - 所在地: 〒662-0942 兵庫県西宮市浜町8-5
• - 設計: 山下某
• - 竣工年: 明治21年（1888年）
• - 構造:

- 母屋: 木造2階建て、外壁2面は煉瓦積み、桟瓦葺き
- 附属屋: 木造平屋建て、桟瓦葺き

• - 建築面積:

- 母屋: 165.024m²
- 附属屋: 27.865m²

• - 文化財: 兵庫県指定文化財（指定日: 1982年3月26日）

間取り

• - 母屋:

- 1階: 主室（大理石製暖炉付）×2、6畳和室×3
- 2階: 寝室4室（そのうち2室には暖炉付）

• - 附属屋: 浴室、トイレ

交通アクセス

最寄り駅は阪神西宮駅であり、徒歩15分の距離に位置しています。周辺には、白鹿記念酒造博物館や白鷹禄水苑、アンリ・シャルパンティエハーバースタジオ43、西宮神社などがあります。

この住宅は、単なる建物であるだけでなく、当時の文化や生活を感じることができる貴重な場所です。地域の歴史に興味がある方や、建築スタイルに魅力を感じる方にとって、訪れる価値のあるスポットです。

特に、住宅内には大理石暖炉や和室など、実際に使われていた部屋が保存されており、かつての生活様式を垣間見ることができます。文化財としての重要性から、今後も多くの人々に親しまれていくことでしょう。

もう一度検索