旧辻川郵便局

旧辻川郵便局について

旧辻川郵便局（きゅうつじかわゆうびんきょく）は、兵庫県神崎郡福崎町に位置する歴史ある建物で、擬洋風のスタイルが特徴です。この郵便局は、大正時代に建設され、その文化的遺産としての価値が高く評価されています。

歴史

この郵便局の歴史は、1922年（大正11年）に遡ります。当時、9代目当主の三木拙二が辻川郵便局長に就任し、翌年には擬洋風建築の郵便局舎が完成しました。この年にはまた、電話交換業務も始まり、地元住民の通信手段が大きく進化しました。1956年（昭和31年）には、郵便局の名称が福崎郵便局に改称されたため、建物の玄関にはその名称が明記されています。

保存と活用

旧辻川郵便局は、2008年（平成20年）7月8日に国の登録有形文化財として登録され、さらに同年には兵庫県の景観形成重要建造物としての指定も受けました。これにより、建物の保存と活用が進められています。

2020年（令和2年）11月1日には、隣接する大庄屋三木家住宅が宿泊施設「NIPPONIA播磨福崎 蔵書の館」となり、これを契機に旧辻川郵便局の2階が本格的なホテルの客室として利用されるようになりました。2021年（令和3年）5月15日には、文化に根ざしたカフェ「妖怪ブックカフェ」が旧辻川郵便局の1階にオープンしました。このカフェでは、民俗学者の柳田國男の著作や妖怪に関する絵本が揃い、訪れる人々に新たな体験を提供しています。

建築

旧辻川郵便局の建築様式は、洋風の郵便局舎の好例とされています。外壁は下見板張りになっており、1階および2階の窓は上に上げ下げするタイプの窓が施されています。特に目を引くのは、1階の玄関ポーチに施された庇のデザインで、そこには渦紋があしらわれています。また、天井には逓信省のマークをモチーフとした独自の意匠が描かれており、この郵便局が時代背景を反映した重要な建築物であることを物語っています。

このように旧辻川郵便局は、単なる郵便局としての役割を超え、地域の歴史や文化を深く語る存在として、現在も多くの人々に親しまれています。

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