早吸日女神社

早吸日女神社（はやすいひめじんじゃ）

早吸日女神社は、大分県大分市にある由緒正しい神社で、式内社に指定されています。旧社格は県社であり、別名で「関の権現様」とも呼ばれています。この神社は、八十枉津日神、大直日神、住吉三神および大地海原諸神を祀っています。

神社の歴史

この神社は、紀元前667年にまで遡るその起源を持っています。伝説によると、神日本磐余彦尊（後の神武天皇）が東征の際に、速吸の瀬戸（豊予海峡）を通過しました。その時、海女の姉妹である黒砂（いさご）と真砂（まさご）が、潮の流れを静めるために海底から神剣を引き上げ、神日本磐余彦尊に捧げたと言われています。その神剣は、神社の御神体となり、祓戸の神（早吸日女）が奉られ、建国を願う起点となったとされています。

その後、この神社は大宝元年（701年）に現在の位置へ移され、慶長5年（1600年）には戦火によって社殿が焼失しました。しかし、熊本藩が所領を有し、慶長7年（1602年）に加藤清正によって再建されました。以後、熊本藩主の細川氏によっても繰り返し造営が行われています。2004年には、本殿、総門、社家が大分県の有形文化財に指定されるなど、その歴史的価値が認められています。

タコと神社の結び付き

長い間神剣を守護していたタコは、神社の眷属とされ、神職はその存在を一切口にしません。この伝統は現在でも受け継がれ、参拝者は心願成就を願い、タコの絵を奉納する「タコ断ち祈願」を行っています。

祭りと文化

毎年、早吸日女神社では様々な祭りが行われ、特に注目されるのが5月上旬のふじ祭りと7月の大祭（夏祭り）です。大祭では、華やかな山車や神輿が町内を巡り、地域の人々が集まります。

神社の拝殿は、この地域独特の瓦技法によって作られており、屋根には浦島太郎や三重塔などユニークな瓦があしらわれています。これらの特徴的な瓦は、訪れる人々に印象を与え、神社の魅力を一層引き立てています。

文化財の指定

早吸日女神社の本殿、総門、社家は、2004年3月31日に大分県指定の有形文化財に認定されています。これにより、この神社の歴史的価値や文化的な重要性が際立っています。

関連項目

• - 築山古墳（大分市）：ここには「速吸日女」の墓とされる説があります。
• - 大分県指定文化財一覧

この神社は、地域の信仰の中心として、多くの人々に親しまれています。訪れる際には、その歴史や文化に触れながら、心静かに参拝を行うことができます。さらに詳しい情報は、大分県の観光公式サイトや観光協会のサイトを通じて知ることができます。

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