早川智寛

早川智寛（はやかわ ともひろ）について

早川智寛は1844年9月6日に生まれ、大正7年1月22日に亡くなった日本の武士、官吏、実業家、政治家です。彼は早川組の創業者であり、仙台商工会議所の初代会頭、さらに第3代仙台市長を務めました。

経歴の概要

早川は小倉藩、現在の福岡県で、藩士の早川慶兵衛の長男として育ちました。父親は7石2人扶持下目付役という地位でした。若いころに長崎に遊学し、数学や外国語を学び、その後1873年に土木寮の官吏としてのキャリアをスタートしました。

彼は明治6年から明治12年まで様々な官職を歴任し、宮城県では内務省土木局の主任として、さらに宮城紡績会社の取水口掘削を担当するなど技術者としての実績を上げました。1880年には宮城県土木課長に就任し、仙台警察署の庁舎設計や貞山運河の改修を行いました。特に、貞山運河を「貞山堀」と名付けたことは、後に重要な地名として知られる契機となりました。

1887年、早川は官吏職を離れ、早川組を設立し、東北地方や北海道で土木事業を中心に会社を成長させました。事業の拡大に伴い、早川は1891年に仙台商工会議所の初代会頭に就任し、仙台と山形を結ぶ鉄道建設を政府に提案するなど地域の発展に寄与しました。

また、1898年には七十七銀行の監査役に就任し、さまざまな経済活動を通じて地域経済の発展に寄与しました。1903年、彼は第3代仙台市長に任命され、日露戦争の最中も市政を担当しました。1907年まで市長としての任期を全うし、その後も宮城県農工銀行の監査役など多くの役職を歴任しました。

生活と私生活

早川は宮城郡七郷村南小泉に居を構え、評定河原には「早川牧場」や「早川農場」を設立しました。彼が関与した「早川牛乳」は、明治時代から地域住民に親しまれていました。

1910年には藍綬褒章を受章し、1918年に病により逝去しました。彼の墓所と記念碑は仙台市若林区新寺の松音寺にあります。

家族とその関連

妻は美濃大垣藩主の出身で、子息は「企業再建の神様」と称された早川種三です。また今のところ遠縁にはソニーの創業者・盛田昭夫がおり、家族には多くのビジネスリーダーがいます。養子である早川萬一は早川牧場の経営を継ぎ、他の企業でも重要な役割を果たしました。

このように、早川智寛はただの政治家や実業家にとどまらず、その影響力をもって地域の発展に寄与した重要人物であり、その功績は今もなお語り継がれています。

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