早漏

早漏（そうろう）

性交時における射精のタイミングが、本人の意思に反して異常に短くなる症状です。これは、相手が満足しないうちに射精が起こることが一般的で、英語では「premature ejaculation（PE）」と呼ばれています。早漏は「三擦り半」とも称され、遅漏の対義語です。

概要

早漏は、性交の際に男性が膣に挿入された後、30秒ももたずに射精してしまう状態を指すことが多いです。さらに、1分または3分以内に射精してしまうという見方もあります。女性の視点からすると、十分な満足を得る前に射精されると不満を抱くことがありますが、実際には約70％の女性が早漏を好むという調査結果もあります。この問題を抱える男性は、性機能障害の患者の約30％を占めるとも言われており、特に重度の場合は挿入前に射精してしまうこともあります。これが原因で、性生活の満足度が低下し、医療的な介入が必要となることも少なくありません。

原因

早漏の多くは男性の身体的な問題ではなく、心因性が関与しています。性行為の際、女性が性的満足を得るのが遅れるため、男性が自然に興奮を感じて射精してしまうことがあります。また、性行為に不慣れなことや若年層の男性にも早漏の傾向が見られます。これにより、性的な関係に亀裂が生じることがあり、男性にとっての悩みの一つとなっています。ただし、包茎や感染症、前立腺の炎症など、物理的な疾患が原因である場合もあります。

対処法

一般的には、膣内射精が可能ですが、陰茎が挿入される前に射精が起こることもあります。1970年にジョンソンらによって提唱された「スクイーズ法」が多く利用されています。この方法では、挿入直後に膣から陰茎を抜き、パートナーの手指で亀頭を圧迫し、快楽の波を収めてから再び行為に戻るという方法です。また、「セマンズ法（スタート・ストップ法）」も古くから使われていますが、効果には賛否があります。麻酔効果を持つゼリーや軟膏、コンドームの併用も試みられることがありますが、それぞれにリスクがあります。オナニーを事前に行なっておくと、勃起不全に陥る可能性があるため、注意が必要です。

また、SSRIと呼ばれる抗うつ薬は射精を遅らせる効果があるとされ、最近ではダポキセチンという薬が早漏の治療に有効であることが示されており、欧州ではこの薬の使用が進んでいます。ダポキセチンは迅速に作用し、副作用のリスクが低いため、多くの国で承認されています。他にも、リドカインを主成分とするスプレーが効果を持ち、性交前に使用されています。

医学的観点

早漏は、医学的には生涯早漏（LLPE）と後天的早漏（AqPE）に分類されます。生涯早漏は初体験から常に射精が早いもので、後天的早漏は初体験は問題なかったが、その後短縮することを指します。原因としては、亀頭の敏感さや神経の反応が影響します。診察では触診や心理テストが行われ、治療は心理的アプローチから薬物療法まで多岐にわたります。トレーニングによる改善も報告されており、重視されています。

もう一度検索