早稲田小劇場

早稲田小劇場について

早稲田小劇場（わせだしょうげきじょう）は、演劇の革新を目指す早稲田大学の学生演劇から誕生した劇団および劇場です。この劇団は、小劇場運動の初期の象徴として位置づけられており、「早稲小」という愛称で親しまれています。

概要

1961年、鈴木忠志は早稲田大学に在籍中、新たな演劇スタイルを模索し「新劇団自由舞台」を設立しました。この劇団は、大学内の学生劇団「自由舞台」から独立する形で誕生したものです。鈴木は動向を変え、劇団が発展する中で1966年に「劇団早稲田小劇場」を結成しました。この劇団には、著名な劇作家の別役実や俳優の小野碩などが在籍し、小劇場運動を推進する力となりました。

1976年、劇団は活動の基盤を富山県利賀村（現在の南砺市）に移し、「SCOT（Suzuki Company of Toga）」へと改名しました。これにより、富山の地で新たな演劇の可能性を開く取り組みを行うようになりました。

劇場の歴史

早稲田小劇場は、劇団名だけでなく、鈴木が運営していた劇場の名称でもあります。初めての稽古場を得ることができたのは、早稲田大学近くの喫茶店「モンシェリ」の主人の好意によるものでした。劇団員たちは、アルバイトで工事費を集め、1966年5月に別役の戯曲を基にした初演『門』を経て、同年11月には稽古場と劇場を兼ねた「早稲田小劇場アトリエ」が完成しました。

しかし1976年以降、劇団が富山県に移転したため、早稲田小劇場は「早稲田銅鑼魔館」として民間の貸劇場として運営されることとなりました。1978年には新たに鉄筋コンクリートの5階建てビルが建設されましたが、1995年に経営難から活動を停止してしまいました。

1997年に運営権が早稲田大学に移り、劇場は「早稲田芸術文化プラザどらま館」と改称され、学生たちの演劇発表の場として利用されるようになりました。しかし、2012年には耐震の問題から閉館が決定され、同年中に取り壊されることとなります。

その後、2013年には早大学生による「チーム・シアター早稲田」が新しい劇場の建設を提案し、早稲田小劇場の再開設が決まりました。2015年3月、その名を冠した「早稲田小劇場どらま館」が再建され、プレ公演や新たな作品が続々と上演されました。

主な出身者

早稲田小劇場からは、数多くの優れた俳優や劇作家が登場しました。代表的な存在として、古屋和子、五大路子、青山吉良、小田豊、白石加代子などが挙げられます。彼らは日本の演劇界に大きな影響を与えています。

早稲田小劇場は、早稲田大学の学生たちが演劇を通じて自身を表現する場を提供しており、演劇文化の発展に寄与してきた重要な劇団としての役割を果たしています。このように、早稲田小劇場は演劇の新たな事業と人材育成に尽力しており、今後もその歴史が続いていくことが期待されます。

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