早霜 (駆逐艦)

駆逐艦早霜の戦歴と背景

駆逐艦早霜（はやしも）は、昭和18年1月から19年2月にかけて日本の舞鶴海軍工廠で建造された一等駆逐艦です。早霜は夕雲型駆逐艦の17番艦であり、太平洋戦争のさなかで重要な任務に従事しました。艦は1944年2月20日に竣工し、以降は第十一水雷戦隊に所属して訓練や護衛任務にあたりました。

初期の活動

早霜は1944年5月から、夕雲型の姉妹艦秋霜と共に機動部隊に編入されました。彼女たちは航空母艦や戦艦の護衛任務を行い、タウイタウイ泊地へ向かいました。しかし、それに続く海戦で早霜は危険な状況に何度も直面しました。特に、6月9日に駆逐艦谷風が米潜水艦に撃沈された際、早霜はその救助に向かい、他艦と連携して生存者を救助しました。

マリアナ沖海戦。

6月下旬のマリアナ沖海戦では、早霜と秋霜は機動部隊の乙部隊に所属し、米軍機との交戦に参加しました。この戦闘では、早霜は空母飛鷹の乗組員を救助するという任務も果たしました。7月にはシンガポールへ進出し、その後の訓練に従事しました。

第2駆逐隊の編成

1944年8月、日本海軍は早霜、秋霜、清霜の3隻をもって第2駆逐隊を編成しました。これにより彼女は再び重要な役割を果たすこととなります。10月中旬以降、早霜は捷一号作戦に伴いレイテ沖海戦に参加することとなりました。

サマール沖海戦での損傷

10月25日のサマール沖海戦では、早霜は空襲を受けて損傷しました。撤退中に、姉妹艦の秋霜が救援のために分離したことで、早霜は単独行動を余儀なくされました。結果として、さらなる空襲を受けた早霜はセミララ島に座礁してしまい、その運命が暗転します。

救援と放棄

早霜の座礁後、協力していた駆逐艦藤波と不知火も敵機の空襲で沈没し、早霜は救援を求めることができなくなりました。彼女は最終的に放棄され、艦艇としての機能を失いました。残された乗組員はどうなったかは不明です。

最後の艦長と艦籍除籍

早霜の艦長であった平山中佐は1944年12月に職務を解かれ、1945年1月10日には早霜の艦籍は正式に除籍されました。海軍の歴史の中で多くの戦闘を経て早霜はその役割を果たす一方、悲劇的な最期を遂げることとなりました。

参考文献

• - 井上理二『駆逐艦磯風と三人の特年兵』
• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』
• - 木俣滋郎『日本水雷戦史』

このように、駆逐艦早霜は日本海軍の歴史において重要な役割を果たし、多くの功績と戦いの中でその名を残しましたが、最終的にはその運命をもって歴史のさなかに消え去りました。

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