旭堂南陵 (3代目)

三代目旭堂南陵（1917年1月25日 - 2005年8月17日）は、大阪市に生まれ、本名を浅井美喜男といいました。彼は、講談師としてその名を馳せ、上方講談界の発展に大きく貢献した人物です。二代目旭堂南陵の次男として生まれた彼は、幼い頃から講談の世界に触れて育ちました。

1933年、大阪貿易学校を卒業後、二代目旭堂南陵に入門し、旭堂南海を名乗って初舞台を踏みました。その後、1940年春には二代目旭堂小南陵を襲名し、真打として昇進を果たします。この頃から、彼はその才能を開花させ、独自のスタイルを確立していきました。

1966年10月、三代目旭堂南陵を襲名。この襲名は、彼にとって新たなスタートとなり、講談師としての活動をさらに精力的に行うようになりました。同年、上方講談協会を創設し、初代会長に就任。協会の設立は、上方講談界の結束を強め、その発展に大きく寄与しました。

三代目旭堂南陵は、古典講談の継承に力を入れる一方で、新作講談の創作にも意欲的に取り組みました。彼の講談は、歴史や人物のエピソードを巧みに語り、聴衆を魅了しました。また、その語り口は、ユーモアに溢れ、多くの人々に親しまれました。

1995年には大阪府舞台芸術賞を受賞。1996年には勲五等双光旭日章を受章。1997年には文化財保護法に基づき国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財「講談」の保持者に認定。これらの受賞・認定は、彼の長年の功績が認められた結果であり、講談界にとっても大きな喜びでした。

2005年8月17日、三代目旭堂南陵は永眠しましたが、彼の遺した功績は今もなお、講談界に大きな影響を与え続けています。2006年には、第11回上方演芸の殿堂入りを果たしました。

彼の弟子には、四代目旭堂南陵をはじめ、旭堂左南陵、旭堂南左衛門、旭堂南鱗、旭堂南北、旭堂南華、旭堂南海、旭堂南湖など、多くの優れた講談師がいます。彼らは、三代目旭堂南陵の教えを受け継ぎ、講談の伝統を守りながら、新たな可能性を追求しています。

三代目旭堂南陵は、講談の普及と後進の育成に尽力し、上方講談界の発展に大きく貢献しました。彼の情熱と才能は、これからも語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索