昆支王

昆支王の生涯と家系

昆支王（こんきおう、？ - 477年7月）は、百済の王族であり、歴史的には非常に重要な人物とされている。百済における彼の家系については、『三国史記』と『日本書紀』の二つの史料で詳細が記されている。彼は第21代蓋鹵王の子であり、22代の文周王の弟に当たる。また、24代の東城王の父でもあることから、韓国の王族の中でも特に重要な位置を占めていた。

日本への人質としての送還

文献『日本書紀』に基づくと、昆支王は雄略天皇5年（461年）に兄の蓋鹵王によって日本に人質として派遣された。この際、彼は蓋鹵王の妻の一人を伴って日本に到着している。彼の妻は、この到着後に筑紫の各羅嶋（現在の加唐島）で男児を出産する。この子供は嶋君（斯麻）という名で、後に武寧王となる。昆支王は、7月には日本の宮廷に入るが、すでに5人の子どもを持つ多子の父でもあった。

王位の継承

479年4月、百済の王文斤王（または三斤王）が急死すると、昆支王は自らの第2子である末多王を王位に就けることを決定した。末多王はその賢さから幼少ながらも王位に選ばれ、後に東城王として知られることになる。このように、昆支王は自分の子供たちにしっかりと王位を引き継ぐ体制を整えた。

昆支王の遺跡と評価

昆支王に関連する遺跡として、大阪府柏原市にある高井田山古墳が挙げられます。この古墳は初期の横穴式石室が採用されており、武寧王の陵から出土した火熨斗などが見つかっているため、5世紀後半の百済王族の墓であると考えられている。もし昆支王が日本で亡くなったのであれば、この古墳が彼の墓であるとも言われている。

妻の出自と国際的背景

昆支王の妻の出自については、韓国の歴史学者たちの間でさまざまな議論が展開されている。一部の研究者は、彼の妻が倭人であった可能性が高いと主張している。さらに、彼と彼の子供たち、特に東城王や武寧王の王妃も倭人であったとする説がある。これは、当時の国際関係における婚姻が政策的な意味を持っていたことを示すものである。

家系の重要性

昆支王の家系は非常に複雑であり、彼の家族には多くの王が存在している。彼の祖父または父は毗有王、父または兄は蓋鹵王、そして兄または甥は文周王である。子供には東城王が含まれ、その子孫の中には武寧王がいることから、昆支王は百済王家の重要な系譜の一部となっていた。

結論

昆支王は百済の歴史において重要な役割を果たした人物である。彼の生涯や家系は、当時の百済と日本との国際関係、さらには王位継承の制度についての理解を深めるうえで欠かせない要素となっている。

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