昇降機等検査員

昇降機等検査員について

昇降機等検査員（しょうこうきとうけんさいん）は、専門の講習を受け、一定の条件をクリアした個人に与えられる資格です。この資格は、平成28年に施行された建築基準法の改正に伴い創設されたもので、従来の「昇降機検査資格者」の役割を引き継いでいます。現在、昇降機等検査員は、様々な昇降機や遊戯施設の安全性を確認・検査し、その結果を報告する重要な責務を担っています。

概要

建築基準法第12条では、特に重要とされる昇降機の検査が定められています。この法律に則って、民間建築物に取り付けられたエレベーターやエスカレーター、さらには特定の行政機関が指定する昇降機について、定期的に検査が求められています。国の公共建築物でも、全ての昇降機は定期的な点検が必要です。

また遊戯施設に関連する昇降機も、同様に定期検査を受ける必要があり、昇降機等検査員は、この作業を担当する資格者として活動します。一級・二級建築士も一定の条件を満たせば、これらの定期検査を行うことができます。

受講資格

昇降機等検査員の資格を得るには、いくつかの条件を満たす必要があります。これらは主に教育と実務経験によるもので、以下のような基準があります。

• - 大学で機械工学または電気工学を専攻し、卒業後2年以上の実務経験。
• - 短期大学を卒業し、昇降機や遊戯施設に関し3年以上の経験。
• - 高専や旧専門学校を卒業し4年以上の経験。
• - 高校卒業後に7年以上の実務経験。

その他にも、直接的な技術や行政に関する経験を持つ者や、一級・二級建築士資格を持つ者も受講可能です。

講習内容

昇降機等検査員の講習は、一般財団法人日本建築設備・昇降機センターが実施しています。年に数回、東京や大阪で開催され、受講者は様々な科目について学びます。主な講習科目は次の通りです。

• - 昇降機・遊戯施設の定期検査制度
• - 建築基準法に関する法令
• - 機械工学・電気工学の基礎
• - 昇降機及び遊戯施設の検査基準

さらに、修了考査も行われ、特定の資格を持っている受講者は一部免除されることがあります。修了後には、昇降機等検査員資格者証が交付され、実務に従事することが可能になります。

まとめ

昇降機等検査員は、安全で快適な市民生活を支えるために欠かせない存在です。技術的知識に加え、法令遵守や倫理観が求められ、社会的責任を果たす役割を担っています。昇降機等検査員が行う検査や点検は、昇降機や遊戯施設の安全性を維持するために不可欠であり、受講を希望する方は事前に条件を確認し、準備を進める必要があります。

もう一度検索