昌徳宮

昌徳宮について

昌徳宮（しょうとくきゅう、朝: 창덕궁、チャンドックン）は、韓国のソウル特別市に存在する李氏朝鮮時代の宮殿です。この宮殿は、正宮である景福宮に対する離宮として1405年に設立され、その後の歴史の中で重要な役割を果たしました。昌徳宮は、現在でも創建当初の姿を多く残しているため、韓国において特に価値のある文化財とされています。

昌徳宮の敷地には、国王が執務を行うための「仁政殿」や、王と王妃の寝殿であった「大造殿」など、13棟の木造建築が現存しており、これらが一体となって韓国の歴史を物語っています。

建築物とその特徴

昌徳宮の中でも、特に注目を集めるのは「敦化門」です。これは1668年に創建され、韓国の最古の正門とされています。所有する「錦川橋」は、一緒に渡ることで心を落ち着かせる場所としても有名です。また、宮殿内には「後苑」と呼ばれる美しい庭園も広がっており、ここは李朝時代の王朝庭園として知られています。後苑の内部には多くのあずまやや人工池が配されており、韓国の造園技術が極まった地です。

複雑な歴史

昌徳宮は、1592年に起こった文禄の役の際、戦火により焼失しました。文献によれば、その原因は民衆の放火という説もあれば、日本軍によるものとする意見も存在します。その後、再建が試みられましたが、1623年に再び焼失し、1647年に現在の形に再建されることになります。

王朝の末期には、1868年に景福宮が再建されると昌徳宮は再び離宮としての役割を果たしましたが、20世紀に入ると純宗が皇帝となり、再び宮殿として使用されました。1917年の火災により内殿が被害を受けた際、朝鮮総督府による改築が行われたのです。

世界遺産としての登録

昌徳宮は、1997年にユネスコの世界遺産として登録されました。この登録は、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画などにおける人類の重要な価値の交流を示すものとされ、特に素晴らしい例として評価されています。過去の文化的伝統の貴重な証拠を残し、歴史的な建築様式とその景観の優れた例として認識されています。

観光情報

これまで昌徳宮は、自然保護の目的からガイド付きツアーのみの見学が可能でしたが、現在では自由に見学できるようになっています。誰でも簡単に訪れることができ、李氏朝鮮の豊かな歴史を感じる貴重な体験を提供しています。

昌徳宮は単なる宮殿ではなく、韓国の文化遺産として多くの人々に愛され続けている場所です。訪れることで、その深い歴史と美しい建築を体感することができるでしょう。

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