離宮

離宮の概要

離宮（りきゅう）とは、皇居や王宮とは異なり、主に王族や皇族が居住するために設置された宮殿を指します。これらの宮殿は、一般的には皇帝や天皇の住居とは別の敷地に建てられ、特に皇太子が成人や結婚した際に新たに居住地を持つことが多いです。

また、離宮は避暑や静養のために用意されることもあり、さまざまな目的で利用されています。世界各地に存在する離宮は、その地域の文化や歴史を反映しています。ここでは、西洋と東洋の離宮を紹介します。

西洋の離宮

ドイツ

• - ベルビュー宮殿: フェルディナント・フォン・プロイセンが夏季に使用した離宮で、現在はドイツ連邦大統領の官邸。

オーストリア

• - シェーンブルン宮殿: ハプスブルク家の夏の離宮。
• - ベルヴェデーレ宮殿: オイゲン・フォン・ザヴォイエンのために作られた夏用の離宮。
• - ヘルブルン宮殿: 17世紀に建設された離宮。

フランス

• - 大トリアノン宮殿: ルイ14世の公妾のために造られた。
• - 小トリアノン宮殿: マリー・アントワネットの私的な宮殿。

イタリア

• - パラッツォ・デル・テ: フェデリーコ2世・ゴンザーガによる離宮。

スウェーデン

• - ドロットニングホルム宮殿: ニコデムス・テッシン父子によって建てられた。
• - ソルリデン宮殿: 夏用の離宮。

ポーランド・ロシア・アメリカ

• - ヴィラヌフ宮殿: 17世紀に建設。
• - エカテリーナ宮殿: バルトロメオ・ラストレッリによる18世紀の作品。
• - フリヘエ宮殿: ハワイ王家のために1838年に建設された。

東洋の離宮

中国

• - 中南海: 紫禁城の近くに位置する、中共の中枢。
• - ほかにも頤和園、円明園、避暑山荘、瀋陽故宮などが存在。

日本

日本では、特に規模の大きい建物と敷地を持つものが離宮とされています。小規模な施設は「御用邸」と呼ばれ、明治以前には上皇や法皇のためのものとして「後院」といった名称が使われていました。大正時代には、天皇家の子供の早世が多かったため、避暑の目的で新たな離宮の施工が提案され、箱根離宮や日光御用邸が建設されました。

現存する離宮

• - 桂離宮や修学院離宮などがその例です。

かつて存在した離宮

• - 赤坂離宮: 大正天皇の東宮御所として使用されていた。現在は迎賓館に改装。
• - 霞関離宮や芝離宮なども歴史を持ちます。

日本の離宮は各地に広がり、文化的、歴史的な価値を持つ多様な建築物として、今も多くの訪問者に愛されています。

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