昌福寺 (山梨県富士川町)

昌福寺について

昌福寺（しょうふくじ）は、山梨県南巨摩郡富士川町青柳にある、日蓮宗に属する寺院です。この寺院は山号を寿命山と称し、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。

開山と歴史

昌福寺は、永仁6年（1298年）に創建されました。開山は昌福阿闍梨十如院日全により行われ、彼はその後も多くの信者を集める寺院を築き上げました。また、昌福寺の12世住職である一道院日法は、霊元天皇の病を祈祷により治したと言われており、これにより当寺は「経王祈祷所」としても知られるようになりました。

虫加持と虫切り寺

現在、昌福寺の主要な行事として行われているのは虫加持です。特に、乳幼児の癇の虫を封じるための「虫切り寺」として、多くの人々に親しまれています。虫加持は、信者にとって重要な儀式であり、特に子どもを持つ家庭にとって心強い祈りの場となっています。

関連寺院

昌福寺は、旧本山を身延山久遠寺とし、また鏡師法縁（善学会）に属しています。昭和16年に、日蓮宗は本末を解体したため、現在では、旧本山や旧末寺として言い表されることが多いです。昌福寺の旧末寺には、法久山妙増寺（山梨県西八代郡市川三郷町下大鳥居）や妙法山長栄寺（中央市井之口）があります。

昌福寺の意義

昌福寺は、一方で歴史的な寺院としての役割を果たしつつ、他方で現代の信仰の場としても重要な意味を持っています。特に虫加持のような伝統的な儀式は、地域の人々にとって大切な文化的な継承の場となっています。

参考文献

• - 日蓮宗寺院大鑑編集委員会による『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』(1981年、大本山池上本門寺)
• - 市川智康の著作『日蓮聖人の歩まれた道』(水書房)においても、昌福寺に関する記述があります。

関連エピソード

昌福寺の開山である日全は、日蓮と法論を行い敗れた日法の弟としても知られています。このような歴史的背景が昌福寺に特有の風格と伝統を与えているのです。

昌福寺は、信仰の場としてだけでなく、地域文化の継承にも寄与しているため、訪れる際にはその歴史と意義を感じることができるでしょう。

もう一度検索