明治大学体育会に属するアメリカンフットボール部であり、「グリフィンズ」の愛称で親しまれています。
関東学生アメリカンフットボール連盟のトップリーグである一部リーグTOP8に所属し、チームカラーとしてゴールド、ネイビー、イエローを採用しています。
歴史
グリフィンズの歴史は古く、その創部は
1934年に遡ります。日本の大学アメリカンフットボールにおいて、立教大学、
早稲田大学と並ぶルーツ校の一つとして知られています。
チーム名である「グリフィンズ」は、ギリシャ神話に登場する伝説の生物「グリフィン」に由来します。グリフィンは鷲の頭と翼、獅子の胴体を持つ姿で描かれ、アポロの聖獣とも言われています。
チーム誕生のきっかけの一つは、1933年12月25日に行われた、
明治大学のフラタニティ「∑ΝΚ」と東京在住の日系二世で編成されたハワイ選抜チームとの間でのアメリカンフットボールの試合でした。この「∑ΝΚ」が、後にグリフィンズの中核となっていきます。この流れを導いたのが、当時明大教授であった松本瀧蔵氏です。
松本氏は、
聖路加国際病院創設にも関わった
ポール・ラッシュ博士の発案で発足した五大学英語会(ESS)大学連盟の共同代表を
明治大学在学中に務めていました。
1934年、フットボールのリーグ戦設立を目指していた松本氏は、ラッシュ氏に協力を求め、その結果、
明治大学と立教大学に体育会アメリカンフットボール部がそれぞれ誕生しました。
さらに、明治、立教、早稲田の3大学によって東京学生アメリカンフットボール連盟が設立され、ラッシュ氏が初代理事長に、松本氏は書記長(共同)に就任しました。松本氏はその後、
ハーバード大学大学院経営科を卒業し、明大教授を務めた後、
衆議院議員として
内閣官房副長官などを歴任しました。
戦前のグリフィンズは強豪として知られ、
甲子園ボウルが設立される以前の9シーズンで5度の優勝を果たすなど、国内のトップチームでした。また、1935年には、日本の大学を代表して
南カリフォルニア大学と初の単独国際試合を行いました。
創部当初からアメリカの最新戦術を取り入れ、その後もマルチブル攻撃などを導入するなど、常に新しいスタイルを追求してきました。スピードと技術を重視するそのプレースタイルは、現在もチームの伝統として受け継がれています。
主な戦績
グリフィンズは過去に複数回、全国大学選手権の決勝戦である
甲子園ボウルに出場しています。
甲子園ボウル出場記録
1948年
明治大学 0 - 6 関西大学
1968年
明治大学 36 - 38 関西学院大学
1975年
明治大学 7 - 56 関西学院大学
1976年
明治大学 22 - 29 関西学院大学
1985年
明治大学 46 - 48 関西学院大学
また、1947年からは関西学院大学との定期戦が行われており、これは毎年関東と関西で交互に開催されています。
その他、ヨコハマボウルやシトロンボウルなど、様々な交流戦にも参加し、実績を残しています。
関連人物
グリフィンズには、日本のフットボール界に大きな貢献をした多くの人物が関わっています。
松本瀧蔵: 創設者の一人であり、日本のAフットボール協会会長なども歴任。日本アメリカンフットボール殿堂顕彰者。
花岡惇: 明大監督を務め、日本アメリカンフットボール殿堂顕彰者。
金澤好夫:
国際アメリカンフットボール連盟上席副会長、
日本アメリカンフットボール協会理事長などを務め、
Xリーグ設立にも尽力。日本アメリカンフットボール殿堂顕彰者。
野崎和夫: 明大総監督を務め、日本アメリカンフットボール殿堂顕彰者。
他にも、全日本チーム総監督を務めた竹下正晃氏、学部の教授であり部長を務めた小西德應氏、
甲子園ボウルでチャックミルズ杯を受賞した吉村祐二氏や、各界で活躍する多数のOB・OGがいます。中には、元日本テレビアナウンサーの
葉山エレーヌ氏(マネージャーとして在籍)や、
テレビ西日本アナウンサーの
阿江保智氏(
クォーターバックとしてプレー)など、メディア関係者もいます。