明治大学体育会スキー部

明治大学体育会スキー部

東京都中野区に本拠を置く明治大学体育会スキー部（Meiji University SKI CLUB）は、1925年に創設された、日本の大学スキー界における最も長い歴史と伝統を持つクラブの一つです。

部の起源は、1925年に明治大学体育会山岳部の部員たちによってスキー班が発足したことに始まります（現在のスケート部も同様に山岳部から分離）。その後、学友会（現在の体育会）において、17番目の公認競技部として正式な活動を開始しました。

創部以来、明大スキー部は全日本学生スキー選手権大会（インカレ）に特別な歴史を刻んでいます。第1回大会から現在に至るまで、一度も途切れることなく最上位リーグである1部校の地位を維持してきた、唯一の大学です。2020年までに、インカレでは総合優勝を17回（うち2度は4年連続優勝）、種目優勝は延べ130回達成するなど、圧倒的な実績を誇ります。2013年には新たな合宿所が完成し、2024年には創部100周年を迎えました。

明大スキー部は、国内での活躍だけでなく、国際舞台でも数多くの人材を輩出しています。オリンピック、FISワールドカップ、FIS世界選手権といった世界の主要な大会に、数多くのOB・OGが出場してきました。特に冬季オリンピックへの代表者数は群を抜いており、1932年レークプラシッド大会の栗谷川平五郎氏から2018年平昌大会の渡部剛弘氏まで、延べ23名もの卒業生・現役選手が日本代表として出場しています。

明大スキー部の歴史を語る上で欠かせないのが、1972年に開催された札幌オリンピックでの出来事です。この大会のスキージャンプ70メートル級（現在のノーマルヒル）において、明大OBの笠谷幸生氏が日本人冬季オリンピック史上初の金メダルを獲得し、同じくOBの青地清二氏も銅メダルを獲得しました。彼らを含む日本勢3名が表彰台を独占する快挙は、日本中を熱狂させ、笠谷氏のジャンプを伝える「飛んだ、決まった！」という実況はスポーツ史に残る名シーンとなりました。笠谷氏は、金メダル獲得に加え、文化功労者としても顕彰されるなど、日本のスキー界における伝説的存在です。札幌オリンピックでの日本ジャンプ陣、特に明大OBたちの活躍が、日本のスキージャンプチームが「日の丸飛行隊」と呼ばれるようになるきっかけの一つとなりました。

明大スキー部からは、競技者として頂点を極めた人物だけでなく、スキー界や社会の様々な分野で活躍する多くの著名人が生まれています。1992年アルベールビルオリンピックノルディック複合団体金メダリストの三ヶ田礼一氏、1994年リレハンメルオリンピックジャンプ団体銀メダリストで、漫画・映画「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」の主人公モデルとなった西方仁也氏。プロアドベンチャーレーサーの田中陽希氏（NHK「グレートトラバース」シリーズ出演）なども明大スキー部出身です。その他、全日本スキー連盟幹部、ナショナルチーム監督、フリースタイルスキーのパイオニア、スキージャーナル創刊関係者、企業の経営者など、幅広い分野でOB・OGが活躍しています。

明治大学体育会スキー部は、100年近い歴史と輝かしい実績を背景に、学生スキー界をリードし続けています。インカレでの圧倒的な強さ、多くのオリンピアンや社会で活躍する人材の輩出を通じて、日本のスキー界に多大な貢献をしてきました。

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