明治航空基地

明治航空基地の歴史と現在

明治航空基地は、かつて愛知県碧海郡明治村（現在の安城市東端町、和泉町、根崎町）に存在した大日本帝国海軍の飛行場です。この基地は、1943年に横須賀海軍建築部によって建設が始まりました。当時、この地域では周辺の住民や中等教育を受けている学生たちが勤労動員され、建設作業に従事しました。

基地の面積は約200ヘクタールに及び、数本の滑走路と格納庫が北地区と南地区に分かれて配置されていました。具体的には、コンクリートや三和土で整備された6本の滑走路があり、それぞれ離陸のための地点が北、東、南に設けられていました。

戦中の活動

1944年5月20日、第345海軍航空隊明治派遣隊が明治航空基地を使用開始しました。この基地では、既に練習航空隊で教育を受けた搭乗員たちに対して訓練が行われていました。同年9月には第210海軍航空隊も加わり、新鋭機を用いた実戦訓練が行われていました。この時期、日本全体の戦局は悪化しており、米軍のB-29による名古屋の空襲が続いていたため、航空部隊の任務は敵艦隊を撃滅することにシフトしていきました。

実際、1944年12月13日から1945年2月15日までの間に、明治航空基地からは合計14回の出撃が行われました。終戦直前には、長さ1500メートル、幅100メートルの滑走路を建設する計画もあったものの、実際の着工は行われずに終わりました。また、同年には碧海郡新川町に公娼街の衣浦荘が設立され、海軍将校たちのための慰安所として機能しました。

戦後の変遷

1945年8月15日の終戦後、明治航空基地の土地は関係者に払い下げられ、主に水田を中心とする耕作地に戻されました。航空基地の本部として利用されていた木造の兵舎は、1947年に明泉村立明祥中学校として再利用され、1985年まで校舎の一部として機能しました。

さらに、1996年には太平洋戦争終戦50周年を記念して、東端公園内に「明治航空基地之碑」という石碑が建立されました。現在、この基地の跡地には様々な施設が存在しています。北地区には非常用発電所が、南地区には油蒸留場や弾薬庫、防空壕が今も残っています。加えて、コリツー東端物流センター南側の東端町鴻ノ巣や、マーメイドパレス北側の和泉町大下、根崎町東石谷にはそれぞれ油貯蔵場も存在しています。

明治航空基地は、戦争の歴史を物語る重要な場所であり、その跡地は今も地域の一部として利用されています。

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